二世帯住宅の間取り

ユーザー ARKSTUDIO一級建築士事務所 茶之木宏次+羽木みどり の写真

二世帯住宅の設計において、特に考えないといけない問題は、全く生活パターンの違う家族が、一軒の家の中で、部屋の壁や、床と天井を接して暮らすということです。
間取りや動線的には、2世帯住宅のどの部分を共通にするか、それぞれのご家庭で違い、玄関を共用にしたり、居間を共用にしたり、水回りを共用にしたりと、色々なパターンを取ります。
多くの2世帯住宅は、土地の面積の制限から、上下に住戸を重ねることが多いので、特に、小さなお子様のいる世帯では、上階の生活音が下階に響くことになりがちです。
お互いの生活時間が違うので、就寝時などに上階の騒音が響いてくると、精神的にも疲れてくることが多いようです。
木造住宅では、特に注意が必要で、十分な防音対策を施し、プラン的にもできる限り、騒音が出る部屋と、寝室などの静寂を必要とする部屋を重ねないように工夫する必要があります。
 
二世帯住宅は他にも色々な問題を抱えることが多く、旨く行った家族はないと、私の知り合いの建築士は言いきります。
また、私の知り合いの家族は、RCの住宅で、マンションのように完全に独立した住宅形態であるにもかかわらず、距離が近いということが負担になって、過干渉になり、かなりの時間を経たのちに、片方の家族が引っ越すという例も見ております。
しかし、私の設計した2世帯住宅は、上下階の防音対策に注意を払い、家族の仲も良いため、20年近くになりますが、仲良く暮らしておられます。
二世帯住宅はご家族の相性に左右される所も大きいものですが、設計時には、お互いの生活の詳細をよく聞き、問題が起こりそうな事柄を読み取り、建築空間で解決できることには、細心の注意を払ってプランニングすることが必要になってくると思います。