暮らしを拡げる土間

ユーザー 明野設計室一級建築士事務所 明野岳司 の写真

僕の両親の実家はどちらも土間のある家でした。

母の実家は下町で、茅葺の家だったのですが
幸いにも東京大空襲での被災もなく焼け残り
僕が小学校の時に、この家を体験することが出来ました。

土間にはかまどがいくつかあり、漬物の樽が並び
天井には川が氾濫した時の為に木船がつるされていました。
休日に遊びに行くと、ビートルズの曲が・・・
叔父がビートルズが好きで休みにはいつもレコードをかけて珈琲を。
茅葺の家の土間でビートルズ
子供ながらに古い文化と新しい文化の混在したこの場に
憧れていました。

父の実家は世田谷で酪農家の家のようで
(実際に牛とか山羊がいました。)
土間には台所、五右衛門風呂、井戸が・・・
この土間で祖父が農機具の手入れ
祖母が漬物を仕込んだりしている姿が目に焼き付いています。
自分の家にも、こんなな場所があったら雨でも好きな自転車がいじれるのにと・・・

どちらも今都会では考えられない家。

写真があればと探したましたが、残念ながら。。。
見つかったらご紹介したいと思います。

22年前に二人で憧れの土間のある自宅を建て
住宅の設計に携わるようになってから
いろいろな土間を体験した経験から土間の魅力をと
土間のある住まいをいくつか提案してきました。
今日はそのいくつかをご紹介したいと思います。

まずは我が家の通り土間
HPのWorksの「HOME」「HOME+」「HOME HOME+」

仕事場と住まいの境界
庭と街を繋ぐ接点
雨でも趣味の二輪車のメンテしたり
misakoは趣味の植物を

犬も雨でもここで留守番が・・・

私達にはなくてはならない場所。

HPのWorksの「厚木の住まい」
キャンプ好きのご家族の住まい
玄関を大きな土間としてキャンプ道具を収納

車よせに面する外壁の部分にはキャンプ道具の出し入れ用に地窓を設けています。

Worksの「SFH4」
将来焼き物の釜やろくろを置く場所をとのご希望

玄関扉を開けて中に入るとそこは
玄関の三和土やホールを無くした大きな土間
狭小の敷地の住まいでありながら
ご趣味の陶芸や・・・いろいろな使い方の可能性を広げています。

Works「KFH4」
blog「階段は楽しい!」でもご紹介しましたが
玄関はバイクガレージに、と言うより
バイクガレージが玄関に?
こんな室内の土間が我が家にもと思いながら
ご提案した住まい。

Works「府中の住まい」
お住まいの前で畑をやっていることもあり
玄関を裏の庭と繋ぐ通り土間とした住まい。
ご近所の方が来ても靴を脱がずにお茶を。
気楽に人を向か入れられる場所にもなっています。

土間には室内の土間、半外の土間、通土間・・・
いろいろあります。
土間は二つ目のリビング、ダイニングや工房になったりと暮らしを広げる可能性があります。

みなさんも日本の民家に伝統的にあった土間を
見直してみませんか?

(takeshi)