セカンドハウス  (今回のお題)

ユーザー 窪寺弘行・建築計画事務所 窪寺弘行 の写真

長野県内で設計活動をしております、窪寺と申します。
最近、移住先として長野県が非常に人気があるようです。コロナ禍も影響しているのか、二地域居住・二拠点居住等を検討されている方が多いようです。
セカンドハウスとしてある期間のみ居住希望の方も多いようです。
長野県の行政側もこうした社会情勢、傾向を敏感に感じ取り、移住・二地域居住・二拠点居住に対する支援活動を展開しており、私の所属するJIA(日本建築家協会 長野県クラブ)、長野県建築士会とタイアップして様々な支援活動を計画しております。
数年前までは、セカンドハウスの希望者は60歳台のリタイア組が多かったのですが、最近は30歳から40歳の現役組が急増しており、明らかにコロナ禍により社会構造が変化していると思われます。
このような時代の「セカンドハウス」はかつての単なる避暑、スキー等の趣味性目的のためだけでなく、地方で短期間でも生活する意義を考えるべきところに来ていると思われます。
解剖学者の養老孟司先生は、二拠点居住の先駆けともいわれる方ですが、このようなことを言われています。
「都会生活は頭で考える生活であり、田舎生活は身体(からだ)で考える生活である」と。
つまり田舎生活(セカンドハウス生活)は身体にとって最も居心地の良く、快適な生活とは何かを考えることであり、ある程度身体に負荷をかけ、上手に身体を使い、ある程度の不自由さをあえて創った方が良い。ということです。
すべてバリアフリーの家でなく、上手に身体を使わせてくれ、猫がその時々で最も居心地の良い場所に寝ているように、そうした場がある家とでもいうのでしょうか。
このようなセカンドハウスが今、求められているのだと思いますがいかがでしょうか。