【半地下】基準法上は、これも地下です!?

ユーザー 明野設計室一級建築士事務所 明野岳司 の写真

完全な地下に比べると一部地上に出ている為、心理的にも受け入れやすく、
3階建てに比べ地上部の制限が緩い半地下。
同じ三層でも地上3階建てを建てるよりも高さが抑えられるので圧迫感がなく、
これまで私達の事務所では第一種低層住居専用地域で多くご提案してきました。
また、1階に玄関を設けて地下に下る一般的な計画の他、  
高低差のある敷地を購入された方は、こんな計画も選択肢としてあります。

道路からフラットに入る何の変哲もない玄関に見えますが・・・

引いてみると敷地に高低差があり、実は玄関以外は半分敷地に埋まっていることがわかります。
この方は二世帯でした。傾斜のある道路に面する角地でしたので、一世帯を低い側から半地下にアクセスさせ、もう一世帯を高い側から1階にアクセスさせることで世帯分離を図りました。

半地下の内部は、玄関兼用趣味の部屋としてお使いです。
地下とは言え「半地下」なのでハイサイドの窓なら十分開けられ、採光・通風も得られます。
温度も地上に比べて安定しているということも特徴のひとつです。

ところで、最後に大切なお話をひとつ。
「半地下」という用語は建築基準法上にはありません。
定義されているのは「地階」のみ。
今回ご紹介した例は、詳細な計算をして「地階」とみなされる形状としています。
ここが設計のポイント。
地階とすることで、地上部は3階ではなく2階建ての制限のみとなるからです。

限られた敷地の面積を有効に使いたいという方、高さ制限を上手にクリアしたい方、
一度半地下をご検討してみるのも良いと思います。