今回のお題 新築の平屋

ユーザー 窪寺弘行・建築計画事務所 窪寺弘行 の写真

今回のお題「新築の平屋」
住宅を計画するとき平屋とするか、多層階とするか、は敷地条件(環境、大きさ、形状、眺望)・必要床面積・法規・工事費・クライアント希望等により決定される。
敷地に余裕があり、必要床面積もそれほど大きくない場合は平屋形状が採用されることが多く、特にバリアフリーが希望の場合は平屋建てが有効である。
私の事務所にも最近は平屋建てを希望されるクライアントが増えており、敷地が傾斜地のため、2階建てより平屋でバリアフリーを希望する方が多い。
平屋建てには以下のようなメリット・デメリットが考えられる。
メリットとしては
 ・グランドレベルで生活するため土地とのつながりが強く、ガーデニング・家庭菜園・ウッドデ        
  ッキの利用等、土地と密接な生活が期待できる。
 ・一般的な階段が必要ないため、高齢化しても心配なくバリアフリーな生活が可能。
 ・住宅のメンテナンス(屋根・外壁等)が容易であり、仮設費用等を抑えられる。
 ・景観上、圧迫感がなく周辺環境にも配慮できる。
 ・地盤状況にもよるが、建物重量が軽減されるため構造上安全である。
 ・上層階がないため各室の断面形状が自由となり、勾配天井等変化に富んだ内部空間
  が構成できる。

デメリット
 ・基礎範囲が大きくなるため、基礎工事費用が割高になる可能性がある。
 ・平面計画にもよるが、部屋数が多い場合は日照・採光上困難な場合が想定される。
 
近年コロナ禍もあり、都市部から地方へ移住あるいは2拠点生活の要望が多くなり、私の
地元 長野県も非常に人気がある。
やはり平屋建ての要望が多く、土地とのつながりを望む傾向が強いようである。

※ 参考までに今年長野県茅野市で手掛けた平屋建て住宅及び二地域居住者用コンパクト住宅計画案を掲載いたします。

敷地の傾斜を利用したスキップフロアの平家建て住宅です。

二地域居住者向けコンパクト住宅の計画案です。
工事費1000万円
床面積 15坪