新築の平屋

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

住宅において「平屋」がもっとも贅沢で理想的な住まいだと私は思います。
その理由のひとつに土地の広さが挙げられます。

平屋の場合、リビング・ダイニング・キッチンといった家族団欒のスペース(パブリックスペース)と浴室・洗面脱衣室や寝室、子供室といったプライベートスペースが同じ一つのフロアにあり、その床面積すべてがほぼ建築面積に相当します。

一般的に住宅地における建ぺい率が60%以下の用途地域がほとんどであり、このような用途地域内の土地に平屋を建築するために必要な敷地広さは、建築面積(床面積)のおよそ1.7倍となります。(建ペイ率50%の敷地ならば、建築面積の2倍の広さの敷地が必要になります。)

ここまでは土地についてですが、一方で建築物(住宅本体)についても理由があります。
平屋は建築面積と床面積がほぼ同じなため、その面積すべてが地面に接する基礎部分となり、基礎に必要な鉄筋とコンクリートがその分だけ多くなり工事費がかかります。
また、屋根面積も同様に多くなるため、その分工事費がかかります。

建築物本体(住宅本体)以外にも外廻り(外構)部分も敷地面積が広い分、隣地境界の距離と道路境界の距離が長いため、フェンスや塀、垣根、庭の植栽などといった部分にも工事費がかかります。

以上のことから、新築の平屋はある程度の敷地広さと相応の建築費が必要ですが、長く住み続ける家としては理想的だと私は思います。