十里木の住まいづくり、釘・ビスにこだわる

ユーザー TAM建築設計室 新井敏洋 の写真

材料の留付けに釘やビス等があります。

目的に合わせた沢山の種類があり、性能など知れば知るほど楽しくなります。

形状や素材など適材適所で選択します。

建築ではおもに構造用と仕上用の釘、ビスに分けられます。

構造用の留付けには構造設計で決められた性能のものを使用します。

耐力面材になる構造用合板等の留付けには釘が使用されますが、目視で仕様釘が判るように頭に長さの50などと刻印されています。

木造の構造金物検査ではこの刻印を設計通りになっているか必要間隔、適正施工と共に確認します。

その他構造金物取付ビスはそれぞれ決められたものがあり、色分け等されているので確認がとても便利です。

今回は、仕上用ビスのお話です。

見せるビスです。

板壁外壁は最も傷みやすい場所です。

DIYで取替ができるように考えました。

仕上材料は杉の貫材、ビスは耐候性、木材締付のためステンレスコーススレッド。

安価で材料はホームセンターで揃います。

浴室の杉板は真鍮の丸頭釘です。板の反り防止ですが、昔から定番の見せ釘です。

炉壁や調理壁のフレキシブルボードの留付けには、小ぶりのステンレスの平頭釘を使用しています。色味、形状で目立たぬようにしました。

フィニッシュネイルなどもっと目立たない釘もありますが、消す意味はないと考えました。

床板は91cm×182cmの杉構造用3層合板を仕上げとして使用しています。

水平構面としての使用のため、性能仕様のビスを選んで使用しています。

使用品は鉄製ダクロ処理でビット部が四角なのでチープ感はありません。

室内にビス等があまりに多く見えるのも印象的には良くありません。

留付け位置の工夫でなるべく隠し、見せるところは見せるのが良いかと考えます。

手摺の留付けビスです。ユニクロコーススレッドですが間隔を指示することで整然とします。

玄関扉のハンドルを木製製作としましたが留付けは長ネジにナット止め、先端部を袋ナットとしています。

外部なのですべてステンレスです。

何度も引抜の力が加わる場所は締め直しが利く留付けが良いかと思います。

金物は耐久性、耐候性があります。

建物には色々な部分で出てきます。

素材や色を揃えるとスッキリとした印象となります。

住まいづくりはこだわりどころ満載です。

些細なところでもこだわらないと住まいづくりがもったいないと感じます。