改修工事を考える-防火

ユーザー TAM建築設計室 新井敏洋 の写真

改修工事を考える場合、現況を調査した総合的な設計が必要です。
構造・劣化・防火・断熱・バリアフリーなどはとても重要です。

現在東京23区のほとんどが防火地域、準防火地域に指定されています。
東京都では木造密集地の地震などの災害時における火災の延焼予防として安全条例で建物の構造を指定しています。

改修時において、現在の都市計画(防火指定)、安全条例を確認し、状況・将来予測とともに改修設計を考える必要があります。

また、2006年(平成18年)より消防法により住宅用火災報知器の設置が義務化されました。
改修の機会に確認してもらいましょう。

防火改修工事の事例を紹介します。

築42年の木造2階建て32坪の住宅改修です。
母の介護が終わり、一人になった住まいの外部を塗り替えたいという相談でした。
都内なので転居も進めましたが10年したら考えるということで、予算を踏まえた改修で相談を受けることになりました。

防火は屋根、外壁、軒裏、窓などの対応状況と住宅用火災報知器の設置有無を確認します。
確認申請によると現在は準防火地域となっていますが、当時は防火指定はなしでした。
現状は、屋根・外壁は防火構造となっていますが、軒裏・窓が非防火でした。
軒裏廻りからの延焼を防ぐため、破風塗装を板金に、軒裏を不燃材張してからの塗装を金額をご提示して改修をお勧めしました。
窓は、金属雨戸を常に閉める習慣があるため、費用を考慮し現状のままとしました。

費用(税抜)は破風板金工事で工事で12万、軒裏防火工事で12万、他業者経費、消費税です。

住宅用火災報知器はネット購入で取り付けます。

破風板板金+軒裏不燃材張り塗装+防火対応軒裏換気材

破風板板金

庇上裏不燃材張り塗装