カフェの設計

ユーザー オープンサイト建築設計事務所 双木洋介 の写真

カフェの設計で気をつけるべきことは、やはり飲食をされるお客様の快適性が一番だと思います。どうしても収益性を考えると席数を詰め込みがちですが、パーソナルスペースを侵さない距離感だったり、提供するメニューが必要十分に載るテーブルサイズだったり、落ち着く椅子の高さだったり、バリアフリーだったり、といった細かい部分に気を配りながら、想定する席の配置を決めていきます。

某大手シアトル系のカフェなど、席に座ったときに隣のお客さんとの距離が近すぎる店舗も多いのにお客さんで賑わっているカフェも目にしますが、正直それはブランディングやコマーシャルの成果であって、個店やスモールチェーンのお店がその形や席数だけ真似しても、ただ居心地の悪いお店になるだけなのかなと。

席数×回転数で勝負を挑むよりは、テイクアウトの窓口を設置する、製菓の卸しもする(そのための厨房設計も必要ですね)、場合によってはイベント出展も積極的に行う、という複合的な経営戦略の中で、実店舗に来るお客様にはゆったりとした時間を提供できる場所になると、それこそが長期的な事業資産になるのだと思います。