日光を取り入れる工夫

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

「日光を取り入れる」と聞いて、皆さんはどういう光を思い浮かべますか?
東や南の方向から射し込む明るい直射日光を想像される方がほとんどではないでしょうか。

住宅において直射日光を取り入れることはもちろん必要で重要ですが、日光を取り入れるにはもうひとつ、直射日光ではない間接的な日光(北側からの光)を取り込むことが有効です。

北側からの間接的な光?と不思議に思われるかも知れませんが、北側の光は直射日光でない反面一日中一定の明るさが得られる利点があります。
例えば、画家をはじめとする芸術家のアトリエは、微妙な色の違いを判断する必要があるため、北側に配置して窓も直射日光を避けて北側に設けます。
つまり、天窓(トップライト)や高窓(ハイサイドライト)は、むしろ北側に設けたほうがいいのです。
特に読書や趣味で絵画などをするような書斎や色褪せや傷みを嫌う掛け軸やタペストリーなどを飾る和室や吹き抜けは、北側から日光を取り入れるほうが良いでしょう。

また、東や南から射し込む直射日光を多く取り入れようと大きな窓(開口部)を設けるのではなく、壁際に縦長のスリット窓や天井際に横長のスリット窓を設けることにより、壁や天井を介した柔らかい光を取り入れられ、セキュリティとプライバシーの両方を確保できます。