地震に強い家にするには?⑨
ずいぶんと長いお話しになりましたね。
耐震性って、家づくりでは、とても大事な要素です。
なので。
しっかり理解して、自分にとって最適解にしたいですね。
どうやら、話が長かったこともあってか、
「結局どうなの?」という問いかけをいただいたので、
今日は、まとめのお話しをしようと思います。
ただ。
細かなところを話し始めると、長くなってしまうので、
全体像をつかんでいただけるよう一部簡略にしますので、
細かく再確認したい方は、戻って読んでみてください。
※前提として。木造の構造についてのお話しです。
1)そもそものこと
木造2階までの家は、現在は、構造について計算義務はありません。
(2025年からは必要になります)
検討するかどうかは、設計者・施工者の良識によります。
2)構造計算のこと
構造について、検討する方法として、構造計算があります。
その計算方法が、大きく分けて、3種類です。
一つ目は、一番簡易な計算で、地震に耐える壁の量を知るくらい。
意味がないとはいいませんが、かなりアバウトですね。
二つ目は、長期優良住宅等の申請でも使われる計算方法。
第三者機関でも、耐震性を評価できるような内容です。(一応)
地震に耐える壁の量は計算しますが、基礎とか梁の大きさ等は、
「標準的な?」一覧表をみて、決めます。
国が決めた基準ではありますが、実際とは整合しないこともあります。
一つ目よりはいいのですが、少し物足りないかもしれません。
三つ目は、詳細な計算。
家にかかる荷重を想定して、柱一本や基礎まで、計算していって、
その寸法を決めていきます。
当たり前ですが、この計算方式であれば、具体的なその間取りで
検討をするので、一番安心できる内容です。
3)詳細な構造計算であればよいか
詳細な構造計算をすることで、しっかりとした根拠はできます。
ただ、多くは、構造計算をすること自体が目的になっている感じ。
設計者が、何を基準に構造計算するのかによって、結果は異なります。
弊社では、根本的なことで、かなり高い基準を設定しています。
(構造計算は、目的でなく、その基準をクリアさせる手段です)
4)特殊な工法は安全か
○○工法といった感じで、命名されている特殊な構造方法があります。
すごく耐震性が高いという表現をされるケースもありますが、
そうでもないことがありますので、見極めが必要です。
特殊な工法だから、安全とは、言い切れないです。
特殊工法は、指定の工務店になるので、コストアップになります。
5)まとめ
特殊な工法にしなくても。
しっかりと基準をもって、詳細な構造計算をすることで、
相当高い安全性は確保できます。
いずれにしても。
構造への見識を広く持っている設計士に相談することがオススメ。
構造計算すればいい
耐震3にすればいい
○○工法にすればいい
そんな簡単なお話しでもないですから。
ということで。
構造のお話しは、今日で終わりにします。
疑問点ある方は、直接メールいただければとお答えします。