狭小住宅のキッチン

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

狭小住宅のように限られたスペースでは、水廻り設備はコンパクトにまとめたいところです。
特にキッチンは建て主さんによりご要望が異なる場合が多いので、基本設計に入る前の段階で希望するキッチンについて私どもはヒアリングを行います。

狭小住宅の場合、キッチンを含むリビング・ダイニング・キッチンが1階になるのか、それとも2階にくるのかによってプランニング(間取り)が大きく異なってきますので、注意が必要です。
ちなみに私の事務所の場合、狭小住宅では2階にキッチン(LDK)を配置するケースが多いです。(採光や風通し、眺望などによる。)

建て主さんの多くが対面式(ペニンシュラ)を希望されますが、狭小住宅ではワンフロアの床面積が広くないので、対面式キッチンではキッチンスペースとダイニングスペースが分断され、動線的にも不利なこともあるので、I型キッチンの壁付けが適していると思います。

しかし、この点は一概には言えず、あくまでもプランニングによります。
アイランド型キッチンとダイニングテーブルを横並びに配置するプランも可能な場合もあります。
また、I型キッチンの幅(W寸法)もシンクの大きさ、食器洗い機の有無、ガスコンロ(IHクッキングヒーター)のサイズ、吊戸棚の有無などにより異なりますし、パントリー(食品庫)が必要か否かによってもプランニングに大きく影響してきます。

したがって、もしも建て主さんがキッチンについて明確な希望を持っていらっしゃる場合には、設計に入る前に設計事務所側へ伝えておくと良いでしょう。

写真にあるキッチンは、昨年竣工した狭小住宅「Cube-77」(延床面積77.01㎡)で、建て主さんの要望により対面式I型キッチン(W=2550mm)、背後に造作カウンター(小型冷凍庫)と冷蔵庫、キッチン横に収納棚とワインセラーというレイアウトになっています。