窓ってどう決めるの?⑧(取付高さ)

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昨日まで、大きな窓を実現するための
いくつかの方法についてお話ししました。

みなさん。
リビングの南面に、どんな窓がほしいですか?
比較検討してみてくださいね。

今日は、次の窓に行く前に。
窓の取付高さについてお話ししておきたいと思います。

これまでご紹介した大きな窓は、床から窓なので、
取付高さについて考える必要ありません。

ただ。
バルコニー等がない2階の窓とか、大きくはない窓は、
床までの窓にはできないので、腰壁のある窓になります。

腰壁とは、床から窓下までの壁のことです。

この腰壁の高さをいくつにするのかって、
自由に決めることができます。

では。
皆さん、どれくらいにしたいですか?

いやいや。
そこまでこだわりないので、「標準」でいいです。
って声が聞こえそうです(笑)

でも。「標準」があるわけではありません。

では。どう決めているのか?

設計士や工務店の経験によるものなんだと思います。
今までこれで取りつけたからとか。

それはそれでもちろんいいんですよ。
ただ、最低限気になるポイントは押さえておきたい。

例えば。2階にある子供部屋に、引き違い窓が
腰壁についているとします。

その腰壁の高さは、私は1.3mからスタートします。
(もちろん、ご要望によって変えていきますが)

なぜ1.3mなのか。
腰壁って、ただ壁なのでなくて、手すりの役割を担います。

手摺の高さって、ある一定ないと、不安じゃないですか?

例えば。
90cmの手すりを吹き抜けに面して設置したら、
大人が手摺に寄りかかると、結構不安になりますよ、きっと。

なぜ、そんな予言(笑)をしたのかっていうと、建築の法律で、
手摺の高さの基準が、1.1m以上になっているおかげで、
オフィスや学校、商業施設とか役所に設置された手摺が
1.1m以上になっているから。

感覚的にそれに慣れているので、それより低いと、
なんだか落ちてしまいそうな印象を持つと思います。

だったら。
腰壁の高さは、1.1mでいいんじゃない?
はい。1.1mであれば、不安も少ないでしょう。

でも、背の高い人がいると、それでも不安になるかな。
そんな風に考えて、少し余分をみて1.3mにしているんです。

もう一つは。
ベッドのヘッドとか、キッチンの背面収納の高さとか、
いろいろ考えると、実は、1.3mがほどよかったりします。
(私の考え方なので、何を基準にしてもよいですよ)

ちなみにですが。
腰壁の高さって、可能であれば、揃えるといいかも。
理由は、外から見たときに、窓がバラバラしないから。

ただ、外見優先で決める内容でもないので、
内部の使い方から決める方がよいと思いますが。。

まずは。今のお住まいの腰壁がいくつになってるのか。
それを測った上で、それより高くするか低くするか。
決めるといいですね。

体感が一番ですから。

さて。明日からは、別の窓のお話しです。