階間エアコンの全館空調効果

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全館空調効果を壁かけエアコンで 夏はロフト、冬は床下から

1階と2階の間に

全館空調について考えます。

壁掛けエアコンを利用して全館空調効果を得る方法には、1階と2階の間にエアコンを設置する「階間エアコン」という方法もあります。
壁掛けエアコン方式と言えば、暖房用は床下に、冷房用はロフトや小屋裏の2台が一般的ですが、上下階を1台のエアコンで空調する試みです。

一級建築士事務所アーキシップス京都 階間エアコンの全館空調効果

階間エアコン方式 夏は冷房+送風ファン

1階天井の上部を利用する

エアコンは2階床に上部が、1階天井裏に吹き出しが出るように設置。
夏は1階にはエアコンの冷気が自然対流し、2階にはファンで冷気を押し出し。
冬は2階には温風が自然対流し、1階には別のファンで温風を押し出す。
自然に上昇する暖気を下ろし、降下する冷気を2階に上げるのに、複数のファンを使いわける考えです。
ハイレベルな高気密高断熱住宅や構造材の位置や高さに注意するなど、効果をあげるための条件は、床下エアコン方式と同様と思われます。

一級建築士事務所アーキシップス京都 階間エアコンの全館空調効果

階間エアコン方式 冬は煖房+送風ファン

住宅の省エネ化は始まったばかり

日本の住宅ストックは約5000万戸、時期も工法も様々ですが共通点があります。
ほとんどが温熱環境に問題がある、非・省エネ住宅である点です。
なぜかといえば、住宅は現在まで、省エネ基準が義務化されてこなかったから。
新築住宅は、2025年に省エネ基準義務化、2030年にZEH基準義務化、同年は太陽光発電も半ば義務化される予定です。

住宅の省エネ=高気密高断熱化はカーボンニュートラル2050に向けて、猛スピードで進みます。
高気密高断熱の住宅にどのような空調設備がふさわしいか。
全館空調はその一つの答えとして、様々なアイデアが出されています。

高気密高断熱住宅は一級建築士事務所アーキシップス京都

このコラムは、注文住宅を計画する方の参考になることを目的に、アーキシップス京都の経験に基づいて書き下ろします。
トピックス、技術、経験の内容は、主観に基づくことをご了承ください。