吹き抜けのエアコンについて

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

吹き抜けのような天井高さのある空間では、設置するエアコンについて考慮しておくべき点があります。

一般的に吹き抜け空間に設置するエアコンは壁付けタイプか床置きタイプになりますが、夏場の冷房より冬場の暖房に対して配慮が必要となります。

エアコンから出る暖気は軽いため、高いところへ上昇する傾向があり、吹き抜けのような天井が高い空間ではその現象が顕著で、足元が暖かく感じないことがあります。

それを解消するには、大きく二つの方法があります。

ひとつは、高い位置に上昇した暖かい空気を再び床近くまで下げるために、天井にシーリングファン(天井扇)を設置する方法です。
そうすることにより、暖かい空気が縦空間で循環して暖かさを保ちます。

もう一つは、エアコンは夏場の冷房時のみに使用して、冬場の暖房時には、エアコンとは別に床暖房や輻射式暖房機を取り入れて設置する方法です。
輻射熱によってエアコンから出る暖かい空気よりも効果が期待できます。
エアコンから出る風が苦手な方にとっても、輻射熱を取り入れる方法は有効だと思います。

いずれにしても、天井の高い空間でエアコンを設置する場合には、寒い冬場の暖房に重きを置いて、建て主さんのご意向を踏まえつつ慎重に検討することが大切です。