屋根はどれがいい?⑦(ハコ型にするには?)

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昨日は、金属屋根の葺き方について
いくつかお話ししました。

横葺きだと、屋根の勾配をあまり緩くできないですが、
複雑な形状の場合には、活躍しますよ。
そんな内容でした。

今日は、すこし違った視点からお話ししようと思います。

モダンなデザインというと、皆さんどんな形イメージしますか?
そりゃあ、ハコ型でしょう!って声が聞こえてきました(笑)

でも。
屋根って、勾配つけないと、雨が流れていきません。
それでも、ハコ型にしたい!
という場合、どういう方法があるかをお話ししていきます。

一つ目は。
屋根の勾配をできるだけフラットに近づけること。

先日お話しした、金属屋根の立平葺にして、
勾配をミニマムにする方法。
勾配のつける方向をしっかり考えると、
かなりフラットに見せることができます。

例えば。
正面から家を見たときに、左右に傾けるより、
奥に向かって下がるよう傾けると、ハコ型に見えます。
眼の錯覚を使う感じでしょうか。

いやいや。
それでも、横から見たら、斜めになってるでしょう!
なんて話になるようでしたら、別の方法があります。

水が流れ落ちていく側(水下)以外の三方向に
壁を立ち上げて、フラットにする方法。

正面や側面から見たとき、壁があるおかげで、
屋根の傾きが見えないので、フラットに見せることができます。

モダンなデザインにしたい場合には、
とてもよく使われている方法かなと思います。

水下側を壁でふさがないのは、雨を溜めずに、
スムーズに排水するためです。

この方法は、水下側が見えない場所であるといいのですが、
もし、丸見えだと、裏側感がでるので、気になる人はいるかも。。
(一般の方であれば、気にならないかなと思いますが)

そうでなくて、どこから見ても、ハコ型に見せたい!
ということであれば、壁をすべて屋根より高く立ち上げて、
弁当箱みたいにする必要があります。

ただ。
ゲリラ豪雨のように、一気に雨が降ると、
屋根から外に排水されず、屋根上に残ってしまうことも。。
瓦や金属、カラーベストでは、水を防ぎきれません。

そんな時には、屋根というより、防水処理をするのがオススメ。

防水っていうと、バルコニーの床面を防水するときに使われる
FRP防水が、木造では多いのですが。

屋根みたいに大きな面積になる場合は、金属防水がオススメ。
雨水の排水機構がとてもしっかりしていることと、
防水がとても長持ちするからです。

この防水。
屋上庭園なんかをするときに使われるもので、
ハコ型にしたいという意味では合致しますよね。

排水はしっかり考えられていますが、安全性を優先!
ということであれば、三方に壁を回す方法がよいでしょうね。

どこまで、こだわるのか。
どう見せたいのか。

その辺に合わせて、最適な方法を採用してください。
もちろん、設計士さんとしっかり相談しながら。