地震でも安心な家づくりのこと⑥

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昨日は、木造に限ってなのですが、
構造の検討方法はいくつかあること。

そして。
それには、検討の内容が違うこと。
3つあるうちの2つについてお話ししました。

ちなみに。
昨日ご紹介した、二つ目の構造検討で、
耐震等級を設定することができます。

個人的には。。
「耐震等級」という言葉のニュアンスと
検討内容が、あまり合致していないかも。
なんて思いますが、国が決めてることなので、
それも一つの正解なんでしょうね。

それはさておき。
三つ目の構造検討のお話しです。

三つ目は、昨日チラッとお話ししていた、
鉄骨造とか鉄筋コンクリート造と同じ考え方の
構造検討となります。

太陽光とか太陽熱パネルの重さとか、
ユニットバスが2階にある場合の重さとか、
グランドピアノを2階に据える場合の重さとか。
その辺もしっかりと設定した上で、検討します。

二つ目との大きな違いは。
柱と柱をつないで、2階の床を支える梁に
どれくらいの負荷がかかって、それに耐えうる
梁のサイズがいくつなのかを検討したり、
木造部分からの力が、基礎へどう伝わって、
どの基礎を、どれくらい頑丈にしないといけないか
といったことがハッキリすることでしょうか。

というか。
家を構成するすべての部材について、
重さや地震の力へ対抗するための検討をします。

ちなみに。
この検討のためには、樹種までハッキリしておく
必要があります。

だって、木造の場合は。
樹種によって、部材の強度が異なるから。

松の集成材で設計してあるのに、
コストを考えて無垢の杉材にしたら
計算は破綻していますから。
(杉の方が強度は低いです)

それと。
基礎は結構違いますね。

いろいろあるのですが、例えば。

正方形の家と細長い長方形の家で比較すると
基礎にかかる負担はずいぶんと違ってきます。

細長い方が、横方向の力のかかり方に差があるので、
二つ目の構造検討では、同じ基礎になったとしても、
三つ目の計算をすると、特定の箇所については、
基礎をかなり頑丈にしないといけなかったり。

そんなことがあったりします。

ちなみに。弊社設計の基礎を初めて工事した
基礎屋さんは、みな同じことをいいます。

「こんなに鉄筋いるの?」

これって。普段、かなり華奢な基礎をつくってる
ということを示していますよね。

もちろん、オーバースペックなのではなく、
計算によって導き出された結果ですから。
シンプルですよね。

おっと。
長くなってしまったので、続きは明日へ。