パッシブデザインの間取り

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パッシブデザインとは、機械の力に頼らずに自然の光や風、熱などを活かして快適な住まいを作る設計のことです。
アレルギーやアトピー、喘息の原因となる化学物質を含む接着剤を使用した合板・集成材、防蟻防腐剤注入土台、グラスウール、ビニールクロスが以外にも多くそして廃棄時有害なものは使わない工夫も大事な視点です。
自然エネルギーを最大限に活用できる家を建てることで、住まいをもっと快適に暮らしやすくすることが可能なのです。
ランニングコストのかかりにくい家を建てられるなど機械に頼らずとも快適に暮らせるという点が大きなメリットです。
冬場、エアコンの温風は暖かいですが乾燥が気になったり、頭ばかりが温まって足元が冷えたりします。また暖かい日差しが差し込む家なら、壁や床などから熱が伝わるため、室内がほんのり暖められて乾燥も気になりません。
一方、夏場はエアコンの風が当たって身体が冷えてしまうという方も少なくないはずです。
風が通り抜けるパッシブデザインの家なら、心地よい風を感じながら快適に生活することができます。また、強い日射を遮ることができるため、室内の温度上昇も抑えることも可能です。
また、パッシブデザインによって室内の快適性が上がれば、冷暖房器具の使用が最低限になって光熱費を抑えることができます。
節電効果が期待できれば、環境に配慮した暮らしができるでしょう。
停電時で冷暖房設備や換気機能がストップしてもパッシブデザインの家なら順応しやすいです。
大前提としてパッシブデザイン住宅を採用するなら、建物の断熱・気密性能を高めなければなりません。また屋外にすだれやシェードを設置したり、カーテンやブラインドを窓の室内側に取り付けたりしても効果的です。
また、庭に高さのある植栽を取り入れても良いでしょう。
葉が生い茂る夏場は、木が日差しを遮ってくれます。
なるべく窓の外側に日射を遮る工夫を取り入れ、サッシや壁に直射日光が当たらない工夫をし、
冬場は、逆に室内に太陽熱を十分に取り入れて、室内を暖めます。
そのためには日差しが最大限入るように窓の位置や種類、高さを考えて設計します。
窓を開けておけば家の中を風が通り抜けるような、間取りづくりや窓の配置を計画します。
空間の2面以上に窓を配置して風の通り道を作り、1面しか窓がない空間でも扉を開ければ風が抜けるようにするのは良いでしょう。
階段の上部に窓を配置し、1階から風を取り込んで2階の窓から出すという流れも考えられます。
暖かい空気は上に溜まるため、1階から2階へ風の流れを作ってあげることで、暖気を逃がして快適に過ごすことができます。
例えばLDKを中心として、各空間が廊下なしでつながる住まいは有効です。