広い土地に小さい家

ユーザー 三浦尚人建築設計工房 三浦尚人 の写真

広い土地があることは、それだけで恵まれていると言えるでしょう。
羨ましく思う人も多いと思います。

設計する側にとっても、広い土地でしかも小さい家を設計する機会は、滅多にないことかも知れません。

しかし、広い土地ならではの設計の難しさはあります。

広い土地とひとくちに言っても、場所、土地の形状、土地の高低差、前面道路など様々な土地の条件によって、設計が大きく変わってきます。

小さい家と言っても、どのくらいの規模なのか?平屋なのか?それとも二階建てなのか?
日常生活を送る住宅なのか?別荘(セカンドハウス)なのか?などといった様々なことを土地の現況を把握しつつ、設計をすすめることになります。

それよりも広い土地に小さな家を設計する場合、もっとも重要なことは家の配置計画です。

都市住宅のような限られた土地に家を設計する際には、隣地境界からの距離、前面道路と土地の位置関係、隣家との位置関係、建ぺい率や容積率、北側や道路からの斜線制限といった建築基準法など多くのクリアすべき条件や項目が存在するので、それらの範囲内で設計することは、それほど難しくありません。

しかし、広い土地に小さい家を設計するとなると、その建物を広い土地のどこに配置すれば最適かということが、もっとも大切で難しいです。

方位、眺望、道路からのアプローチ、土地の高低差などは設計するうえで重要な決定要素になりますが、それ以外にクリアすべき条件や項目はほとんどありません。
隣家や隣地の影響も都市住宅ほど受けないケースがほとんどで、自分の土地内だけで成立します。
それゆえ、広い土地に小さい家を設計する場合には、配置計画が最も重要だと思います。