4号建築物

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「4号建築物」とは、日本の建築基準法に基づく建築物の分類の一つで、特に防火地域または準防火地域において、防火・耐火性能に関する基準が緩和される小規模な建築物を指します。
「4号建築物」に関する法改正は、建築基準法が見直されるたびに、規制の強化や緩和が行われています。特に注目すべき点は、構造計算適合性判定や確認申請の手続きに関する変更です。近年の主な改正の動向をいくつか紹介します。

1. 確認申請の省略基準の見直し
以前は、4号建築物については、確認申請が不要な場合や簡易な手続きが認められていました。しかし、耐震性の問題が指摘されることが多く、いくつかの大きな震災を契機に、4号建築物でも構造計算の義務化や、耐震性能の確認が強化される改正が進められました。

2015年の改正では、一定の規模を超える4号建築物に対して、より厳格な耐震性確認が求められるようになりました。これにより、構造計算を行わずに建てられる木造住宅の範囲が縮小されました。
2. 構造計算の適合性判定強化
従来、4号建築物は構造計算書の提出義務が緩かったのですが、法改正により、一定規模を超える建築物には構造計算適合性判定が必要となるケースが増えました。特に、地震に対する安全性を確保するために、4号建築物においても構造計算の適用が広がりつつあります。

3. 省エネ基準の適用強化
また、最近の法改正では、省エネ性能に関する規制も強化されています。4号建築物であっても、省エネルギー基準に適合することが義務化され、断熱性能やエネルギー消費に関する基準の遵守が求められるようになっています。

総括
法改正によって、4号建築物に対する確認申請や構造計算の義務が強化されてきた背景には、耐震性や省エネ性能の向上を目的としたものが多いです。小規模な建築物であっても、今後はより厳しい基準に適合する必要があります。

一級建築士 南俊治