玄関から始まる四季の彩りと伝統美と和の空間で愉しむ現代技術と融合した心豊かな住まいづくり、懐の深い繊細な和の美意識を味わいながら奥深さを暮らしの中にデザインしてみませんか。

ユーザー やまぐち建築設計室 山口 哲央 の写真

※光天井をデザインして玄関とホールに和の細工を施した玄関の設計事例

和の趣を愉しみながら暮らす

住まいの計画・・・。

忙しい日常の中でも、

ホッと安らぎを感じられる空間づくり。

そんな“日本の美意識”が

息づく住まいは、

四季の移ろいとともに

日々の暮らしに

深い味わいをもたらします。

特に玄関は家の“顔”として

迎え入れる場所でありながら、

伝統技術と

現代の快適性を

融合させるデザインが大切。

先の写真のような玄関も

天然素材の美しさや

照明効果が巧みに組み合わさり、

まるで高級料亭のような

雰囲気を醸し出しています。

和風住宅を計画することで

得る事の出来る

味わいある暮らしをテーマに、

和風の玄関づくりの

ポイントや魅力を

少し書いてみたいと思います。

和風住宅がもたらす味わいある暮らし。

〇自然素材の心地よさ

日本特有の木材や和紙、

土壁などの自然素材には、

独特の温かみや風合いがあり、

日々の暮らしを

豊かにしてくれます。

〇耐震・省エネ技術との相性

現代の省エネや

耐震技術と

伝統的な建築手法を

掛け合わせることで、

安心かつ快適な

住環境を得やすくなっています。

〇四季の移ろいを取り込む住まい

日本の四季は変化が豊かです。

外の景観を

室内に取り込む

障子や縁側、

庭との一体感を

意識した間取りなどが、

より一層季節感を

感じさせてくれます。

“味わい”を生む要素

和風住宅ならではの“味わい”

〇素材の表情:木目の美しさ、

畳の香り、和紙の柔らかな質感など。

〇空間の余白:過度に詰め込みすぎず、

あえて“余白”を活かすデザイン。

〇光と影の演出:障子や格子戸、

間接照明などで、

光と影を繊細に取り入れる。

この3つがバランスよく

組み合わさることで、

“和風の住まい”だからこそ

味わえる豊かな感覚が

得られるようになります。

和風の玄関が果たす役割

「おもてなし」の象徴として

玄関は来訪者を

最初に迎える場所であり、

住まい手自身も

外観土曜に“ただいま”と

心が安らぐ大切な空間です。

和風住宅では、

特に玄関まわりに

“おもてなし”の心が表現されます。

最近は玄関不要論も

ありますが

それにはそれのメリットがあり

どのような暮らしにも

それぞれの良さと目的があります。

タイパとコスパということであれば

玄関不要論もわかります。

ですがそうではない

「豊かさ」を味わう暮らしや

「機能性」には玄関は重要です。

玄関たたきと

上がり框がもたらす

“和”の演出。

現代ではバリアフリーの観点から

玄関の段差や床の段差も

見直されることも増えました。

ただ、こうした段差を

適度に残すことで

靴を脱ぐ・揃える行為がスムーズになる
落ち着きや空間のメリハリが出る
木のフローリングとの境界が明確になり、美しい見た目が保たれる

などのメリットがあります。

木材を使用することで、

経年変化を楽しむことができる

“和の味わい”がプラスされます。

木材・和紙・石材の組み合わせ

玄関は家の第一印象を左右する

場所ですが、

和風住宅では特に

素材選びが重要になります。

木材・和紙・石材を

組み合わせることで、

生まれるコントラストや

質感の違いが

視覚的にも触感的にも

心地よさを演出してくれます。

〇木材:上がり框や床、

天井の梁に使用。

視線の先に見える木目は、

落ち着きとぬくもりを

与えてくれます。

〇和紙:障子や照明カバーとして

利用することで、

光を柔らかく拡散し、

心地よい陰影を生む

役割を担います。

〇石材:土間に用いると

上質感が増し、

独特のひんやりとした触感が

外部との境界を

示してくれます。

和モダンの要素

天井にあしらわれた

和紙を思わせる照明パネルや、

天井から下がっている

垂れ壁と変木が

和の絶妙なアクセントに

なっています。

さらに壁面には

落ち着いたトーンの仕上げを採用し

空間全体を

柔らかな色合いで

統一させています。

外部に面した

大きな窓の向こうには

植栽が見え、

自然と室内をつなぐ

“和の借景”が楽しめるのも

ポイント。

こうした意匠は、

高級料亭や数寄屋建築に

通じる“もてなし空間”を

想起させます。

〇照明計画と陰影の美

和の空間における照明の考え方

和風住宅の照明は、

一般的な住宅照明とは

異なるアプローチも重要です。

一般的には

均一な明るさを

目指すことが多いですが、

和の空間では

“陰影を楽しむ”ことが大切。

ほんのりと柔らかい

明かりの中で

素材が引き立ち、

落ち着いた雰囲気を

醸成します。

間接照明:天井の隙間や

床下に配置し、

直接の光を隠すことで

柔らかな陰影を生む。

ポイント照明:床の間やニッチなど、

見せたい部分だけを

照らすことで

空間にメリハリを与える。

和紙シェード:和紙が光を通すことで、

部屋全体が

優しい色合いに。

現代のLED技術との融合。

和風住宅でも、

近年はLED照明が

主流になっています。

省エネ性能が高いだけでなく、

調光・調色機能を

活かすことで、

一日の時間帯や

季節に合わせて

光の色や明るさを

変化させることが

可能です。

照明デザインにこだわることで、

玄関の雰囲気を

格段にアップグレードできます。

〇具体例から見る上質な玄関演出

写真で見る“使い勝手”と

“デザイン”の両立

掲載の写真では、

玄関の正面に

ニッチ(壁のくぼみ)と

飾り棚があり、

そこに工芸品の焼き物が

飾られています。

これにより

玄関に入った瞬間に

視線を向ける「フォーカルポイント」として

上質な雰囲気が漂い、

和の“おもてなし”が

感じられます。

一方で正面の奥にも

大きな窓を計画してあり、

明るさと通風を確保。

さらにサイドに見える

室内庭園のような

植栽スペースが、

自然の風景を感じさせる演出を

プラスしています。

機能面への配慮・・・・・。

玄関はもちろん

デザイン性だけでなく、

機能面も重要。

シューズクロークの配置。

玄関周りの

収納を充実させることで、

靴や外出グッズが散らからず

スッキリと保つことが出来ます。

照明スイッチやコンセントの位置。

和風建具やニッチの

配置に合わせ、

なるべく目立たない場所に設置する。

段差や手すりの設置。

伝統的な玄関は

段差があることが多いが、

家族構成によって

高齢者や子どもの安全にも

配慮して計画する。

伝統と現代技術の融合。

省エネ・耐震性を

考慮した家づくり・・・・・。

断熱性の向上で快適に。

和風住宅=冬は隙間風、

夏は暑いと思われがちですが、

近年の断熱技術を

組み合わせることで、

一年を通じて

快適な室温を

保つことが可能です。

特に玄関付近は

外気の影響を受けやすいため、

断熱ドアや断熱サッシの

採用が重要になります。

省エネ性能を高めることで、

光熱費の削減はもちろん、

地球環境にも

配慮した住まいが実現します。

耐震性を高める為の

伝統構法×最新工法・・・・・。

木造住宅でも、

伝統的な在来工法に加えて

制震・耐震装置を

組み合わせることで、

地震への備えは十分に可能です。

特に玄関まわりは

構造壁や梁が集中しやすい

部位でもあるため、

設計の段階で補強計画を

綿密に行うことが大切です。

庭とつながる暮らし・・・・・。

四季折々の楽しみながら

日本庭園や坪庭の活用。

和風住宅の玄関は、

外部の景色や

庭と直接つながるよう

設計される場合も多くあります。

先の写真に見られるように、

大きな窓から

植栽を望めるアプローチは、

ただの出入り口ではなく、

室内にいながらにして

自然を感じる大切な

景観要素となります。

坪庭:限られたスペースでも、

植栽や石灯篭、

水鉢などを配置し、

奥行きと風情を生むことが可能。

内外の連続性:玄関土間と

庭の縁を近づけることで、

靴を脱がずに

ちょっとしたアウトドア気分が

味わえる演出も可能です。

四季を通じた楽しみ方。

春には新緑、

夏には涼やかな葉の音、

秋には紅葉、

冬には雪見など、

庭を眺める喜びは

四季の移ろいとともに変化します。

玄関周りに植栽や庭の風景を

取り込むことで、

日々の変化を

楽しむ事も出来るようになります。

職人技とディテールが光る

“数寄屋”スタイル。

数寄屋建築のエッセンス。

「数寄屋」とは

茶室の建築様式に由来し、

日本の伝統建築の

ひとつとして知られています。

数寄屋では、

素材を厳選しながらも、

控えめでありつつ

粋なディテールを大切にします。

玄関にも随所に職人技が活かされ、

柱や梁、

床の仕上げに至るまで

精緻な加工がなされています。

和のオリジナリティを

出すポイント。

一枚板の上がり框。

自然の木目や

端材の形をそのまま

活かしたデザインで、

唯一無二の存在感を演出。

床の間の活用。

玄関に小さな床の間や

ニッチを設け、

季節の花や

工芸品をディスプレイする。

障子や格子戸のアレンジ。

現代的な耐久性を持つ

紙やファブリックを使ったり、

樹脂製の和紙調パネルを

活かしてメンテナンスを

しやすくしたりする。

計画時に押さえておきたいポイント。

家づくり全体の

コンセプトを固める。

和風玄関を中心に据えたい場合、

住宅全体のテイストや

間取りとのバランスを

考えることが大切です。

リビングや和室の配置、

キッチンや

ダイニングとの動線など、

家全体の一貫性を保つことで

完成度の高い空間づくりが

可能になります。

生活動線と収納計画。

和風住宅だからといって、

昔ながらの不便な動線にする

必要はありません。

日々の買い物や

家族の帰宅動線、

掃除やメンテナンスの

しやすさなどを考慮し、

モダンな利便性を

取り入れることが大切です。

玄関のシューズクロークに加え、

玄関脇に大型の

収納スペースを設けておけば

季節物の家電や

アウトドア用品なども

スッキリ整理できます。

予算配分と優先順位。

上質な素材や

オーダーメイドの

造作家具など、

こだわるほど

費用がかさむのも事実です。

しかし、

玄関は“家の顔”として

長く付き合う部分なので、

予算を配分する

価値があります。

コストを抑えたい部分。

見えない部分の工事や

下地材での工夫、

量産品の上手な活用。

こだわり部分。

玄関扉や上がり框、

床材、照明など、

毎日触れるところ。

メリハリをつけることで、

納得度の高い

家づくりが実現します。

和風住宅の計画は、

日本の伝統美を

継承しながらも、

現代のライフスタイルや

テクノロジーと

掛け合わせることで、

より深い“味わいある暮らし”を

実現することが出来ます。

その象徴ともいえる玄関は、

素材選びから照明計画、

そして機能性と意匠性の

バランスが求められる

重要なスペースです。

木の温もりや

和紙の優しい光、

庭の緑を取り入れた

デザインによって、

訪れる人に和の味わいを存分に。

家づくりを

これから計画している

方にとって、

和風住宅は「敷居が高そう」

「古臭い」という

イメージが

あるかもしれません。

しかし実際は現代技術と

上手に組み合わせることで、

省エネや耐震などの

機能面を向上させながら、

和の美意識を

存分に取り入れる事ができます。

生活習慣や

好みに合わせて

カスタマイズできる柔軟さこそ、

和風住宅の大きな魅力といえます。

ぜひこの機会に、

玄関をはじめとした

“和”の設計要素を

取り入れながら、

心豊かな暮らしを

創造してみてください。

四季折々の風情を

感じられる空間が、

自分自身や家族にとって、

さらにかけがえのない

住まいへと育っていくはずです。

和風の住まいを計画する事で

生まれる味わいある暮らしは、

それぞれの趣に相応しい

安らぎと誇りを

もたらしてくれます。

玄関から始まる

その空間づくりにこだわって、

今よりも一歩豊かな

家づくりを進めてみませんか。

心地よくそして長く愛せる

“わが家”を目指して、

是非和の住まいも

ご検討ください。

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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