注文住宅をご計画中の方へ。建物本体費用だけでは語れない、地盤改良・外構・登記・各種保険・仮住まい等に関わる「付帯工事費」と「諸費用」の全体像を明快に。総予算の2〜3割を占める、見落としがちな費用の本質に迫ります。

注文住宅の付帯工事費や諸費用について
注文住宅にかかるお金の中で
一番大きいものは
当然のことながら建物本体の工事費です。
しかしそれは総費用の7~8割となります。
つまり本体以外の費用が
2~3割かかってしまうのです。
付帯工事費や諸費用ということです。
結構大きな金額ですよね。
注文住宅をつくる前に
必要な費用をきちんと把握して、
予算組みを行う事は資金的にも
その後を左右するので重要です。
付帯工事費にはどんなものがあるか
諸費用のうち税金や手数料など
その他かかる諸費用は?
まとめ
1. 付帯工事費にはどんなものがあるか
注文住宅では、建物本体の
工事以外にも様々な工事が発生します。
主要なものを下記に挙げてみます。
もちろん土地の状態や
注文内容によって変わります。
〈地盤改良工事〉
住宅を建てようとした土地が地盤調査の結果、軟弱な地盤だと判断された場合などに強度を高めるための改良工事が必要となります。
せっかく建てた家が
すぐに傾いてしまうなど
もってのほかです。
工法には軟弱地盤の土とセメント系
の固形材を混ぜ合わせて
転圧をかける表層改良工法や、
地中に柱状の杭をつくる
柱状改良工法などいくつか種類があり、
改良に使用する素材にも
セメント系や鋼管杭、
砕石や木杭などの種類があります。
敷地の状況に応じた
工法・種類によって
価格も変わってきます。
〈解体や伐採工事〉
既に建っている住宅を
取り壊して新しい住宅を
建てる場合などに発生します。
密集地での解体時は周囲に
埃や音などの迷惑がかからないよう、
防音シートなどの
養生が必要になってきます。
また、樹木や塀、井戸や
物置なども不要な場合は
伐採・撤去工事が必要になります。
〈引き込み工事〉
上下水道管やガス管などの
ライフラインを
土地に引き込む工事です。
通信回線なども含まれます。
〈外構工事〉
外構(塀やアプローチ、庭、駐車場など)の工事です。
住宅の設備などはしっかり
検討を進めていても、
外構工事は
後回しということがよくあります。
本体工事と並行して
アプローチやカーポートなども
検討していくことが大事ですね。
〈インテリア・電設関連工事〉
家具や電化製品などは、
以前の住居で使用していたものを引き続き
使う方もいらっしゃるでしょうが、
新居に合せて家具を新調する場合も多いと思います。
僕自身も住まい手さんによっては
その辺りも含んで
設計させていただくことも多いです。
特にカーテンなどは
窓の大きさや数などが変わるため
ほぼ新しく購入することとなります。
その際のカーテンレールなども
この工事に含まれます。
また、
照明器具も通常建物本体の工事費用には含まず、
付帯工事費扱いとなるところも多いと聞きます。
やまぐち建築設計室では
その範囲も含み
照明計画として
オーダーメイドで設計に含んでいます。
2. 諸費用のうち税金や手数料など
〈印紙税〉
注文住宅の建築にあたり、
依頼した工務店と建築工事請負契約書を結んだり、
住宅ローンを借りる
金融機関と金銭消費貸借契約書を作成する際には、
契約書作成のための印紙税が課せられます。
印紙税は契約金額によって変わります。
〈登記手数料〉
登記を司法書士に依頼した場合は手数料が発生します。
依頼先によって金額は異なってきます。
〈登録免許税〉
取得した土地や不動産の内容、
所有者の情報を登記するためにかかる税金のことです。
〈不動産取得税〉
土地や建物など、
不動産を取得した場合に一度だけ
課される税金です。
その土地および建物の固定資産の
評価額によって金額は変わります。
〈住宅ローン手数料〉
住宅ローン融資を受ける金融機関に
支払う事務手数料です。
金融機関によってその額は様々です。
〈火災・地震保険〉
火災保険に関しては、
住宅ローンを組んだ場合多くの金融機関で
加入が義務付けされています。
地震保険はまだ任意のところが多いようです。
〈団体信用生命保険〉
住宅ローンの借入者が死亡したり、
高度障害状態になった際に
金融機関がローンの残額を
保険金でまかなって本人に代わり
全額返済するという保険です。
3.その他かかる諸費用は?
〈仮住まいの費用〉
住宅が建て替えとなる場合は、
工事期間中仮住まいを借りる必要があります。
その際の家賃などの費用が発生します。
〈引越し費用〉
現在の住居から新築の住宅への引っ越し費用です。
家具・家財の量や、新居までの
距離によって金額は変わってきます。
〈地鎮祭・上棟式の費用〉
地鎮祭や上棟式を行う場合は、
初穂料や祝い飾りなどの費用が発生します。
4. まとめ
これまでの費用を簡単に
割合としてまとめると以下のようになります。
本体工事費:総費用の約7~8割
付帯工事費:総費用の約1~1.5割
諸費用:総費用の約0.5~1割
あくまでも目安ですが、
思った以上に注文住宅には
様々な費用がかかると
感じられたかもしれません。
一般的に住宅建築のチラシなどの
案内では
建物の本体工事の
坪単価が目安で書かれている程度です。
勿論この「坪単価」にも
様々な危険が潜んでいます。
まずはこのような
付帯工事や諸経費を含めた総額を把握して、
その予算の中からどれくらい
本体工事にかけられるかを
確認することがとても重要です。
ライフプランのシミュレーションも
大切な時間となります。
また付帯工事や諸費用も含めた形での
ご資金計画をご提示させて頂きますので
その際は気軽にご相談ください。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
‐‐----------------------------------------
■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
やまぐち建築設計室
https://www.y-kenchiku.jp/
住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
------------‐-----------------------------