家族として犬や猫と快適に暮らすための家づくり|建築家が提案するペットと共に過ごす理想の住まいと家具・間取り・インテリアの工夫
※猫の遊び用の木製梁と遊びにも使える階段、リビングに設置されたキャットタワーの上でくつろぐ2匹の子猫。
暮らしをつつむ住まい
ペットと共にある空間設計と家具選び。
「いのち」と暮らす家づくり
建築設計の現場では、
ペットと暮らす前提で住まいを考えたいという
ご相談も数多くありますが
その傾向は増えています。
犬や猫といった存在は、
今やペットという枠を超え、
まさに家族の一員として位置づけられています。
だからこそ、
その存在とどのように暮らしていくかを、
建築計画の段階から
丁寧に考えることが求められます。
住宅とは、
ただ「住む場所」ではなく、
家族の関係性や日々の営みを支える
背景となるものです。
その中に、
ペットという大切な存在が加わることで、
設計に新たな視点や配慮が加わるのは、
ある意味とても自然な流れかと思います。
やまぐち建築設計室では、
これまでも「人とペットが穏やかに共に過ごせる空間」の
実現を大切にしてきました。
ペットと共に心地よく暮らすための
住まい設計視点。
素材との対話:
家具に求められる「やさしさ」と「たくましさ」
犬や猫と生活を共にする空間では、
家具や内装材の素材選びが
大きな鍵となります。
たとえば、
ソファの生地一つとっても、
毛が絡みにくいものや、
爪によるダメージを受けにくいものなど、
選択肢は大きく変わります。
合成皮革やレザー素材は、
傷がつきにくく、
汚れもサッと拭き取れるため
おすすめです。
木製家具を選ぶ際には、
硬質な材種(オークやウォールナットなど)や、
保護コーティングを施した製品を選ぶと、
日常の使用やペットの動きに対しても
長く美しさを保てます。
また、撥水・防汚加工された
厚地の布製ソファは、
見た目のやさしさと
機能性を兼ね備えた選択肢。
カーペットやラグは毛足が短く、
織りがしっかりしたものを選ぶと、
掃除のしやすさと
耐久性を両立できます。
清掃性は暮らしの快適性を左右する
ペットと暮らす家では、
「清潔を保ちやすいこと」が
非常に重要なテーマです。
そういう意味で、
家具や床材の選定において
清掃性を意識した提案を行っています。
たとえば、
床には防水・防汚性能のある
素材を採用し、
家具は脚付きで掃除ロボットが
通れる高さに。
日々の掃除がストレスに
ならないようにすることが、
心地よい空間づくりに繋がります。
また、
クッションカバーや
ソファのファブリックなどは、
取り外して洗濯できる仕様が望ましく、
季節ごとの交換や
模様替えも楽しめます。
生活の変化に柔軟に対応できる
インテリアが、
住まいに彩りと余裕を
与えてくれると考えています。
安全設計という視点
ペットの動きは予測不能です。
走り出した拍子に
家具の角にぶつかる、
引き出しを鼻で開けて
中の物を誤飲してしまう・・・・。
そんな事故を未然に防ぐことも、
建築家の重要な仕事の一つです。
そのため、
家具や建具の角を丸く設計する、
収納にはチャイルドロックを施す、
観葉植物や雑貨などを
影響のないように配置するなど、
生活の中に「安全性」を
織り込む設計を心がけています。
また、
猫が安心して過ごせる高所スペースや、
犬が自ら休める静かな
籠もりスペースを設けることで、
ペットにも自分の場所ができ、
ストレス軽減にも繋がります。
ペット専用空間を住まいに取り込む
キャットウォークを梁の延長に、
階段下を犬の居場所に活用など、
設計の初期段階から
ペットの動きや行動を取り入れることで、
自然な共生空間が生まれます。
また、
市販のペット家具だけでなく、
インテリアと調和する
オリジナルの造作家具を提案することで、
生活空間全体に一体感が生まれます。
ペットベッドを
リビングのソファと
素材を揃えて造作するなど、
「見せるデザイン」でありながら、
暮らしに溶け込む提案が可能です。
奈良県生駒市にて
現在工事着工中の住まいにも
LDKには「dogスペース」を計画しています。
そこには様々な配慮の設計を
行っています。
耐久性という視点からの再考
住まいの中でペットが過ごす時間は、
実は人間以上に長いものです。
そのため、
インテリアの素材や構造には
高い耐久性が求められます。
特に壁紙、床材、
カーテンなどは、爪やよだれ、
抜け毛といった
日常的なストレスに強い素材を
選びたいところです。
その上で、
必要以上に高価な素材に偏ることなく、
「修繕しやすさ」や「入手のしやすさ」も含めて、
長期的なコストパフォーマンスを
考える視点が必要です。
そういった意味でも、
住まい手の未来も見据えた
素材選びを
いつもご提案させていただいています。
動線と配置で叶える「自由な暮らし」
ペットと暮らす家では、
単に空間が広いだけでなく、
自由に動ける余白が必要です。
心がけるのは、
廊下やリビング、キッチンなど、
日常的にペットが通る動線を中心に、
家具の配置や
間取りを計画することです。
部屋の中心には
動きを妨げない余白をつくり、
収納は壁面にまとめて
視線も整理します。
高所に棚を設けることで、
猫の行動範囲が広がり、
ストレスフリーな環境を実現できます。
こうした小さな積み重ねが、
毎日の暮らしに
心地よいリズムをもたらします。
調和する美意識
ペット用家具やアイテムも、
インテリアの一部と考えるなら、
そのデザイン性や色合いは
空間との調和が不可欠です。
ペット用品であっても
家の景色として
ストレスになりにくい感じられるものを推奨し、
場合によっては
建築の計画に盛り込み
現場での「造作」での対応も行います。
「見た目」と「実用性」の両立こそが、
建築家の知恵の見せ所でもあります。
「いのちとともに」生きる住まいを
設計するということ・・・・・。
ウサギやハムスターも含めて
他のペットもそうですが
犬も猫も、家族と同じ時間を、
同じ空間で生きていく存在です。
住まいとは、
そんな「いのち」をやさしく包み込む
場所であるべきです。
設計とは、
単に部屋の間取りを描くだけではなく、
そこに住まうすべての存在が
「安心して過ごせる空間」を創造すること。
住まい手とペットが
互いを思いやりながら共生できる住宅を、
暮らしの観点からも丁寧にと思います。
大切な家族と暮らす理想の住まい。
まずは、あなたの想いを
お聞かせください。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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