本当に必要なのは、防音?遮音?

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お子様が、ピアノやバイオリンを習い始めると、多くの親御さんがこう思うんじゃないでしょうか。

「そろそろ、練習のため、防音対策をしたほうがいいのでは?」

でも、いざ調べてみると「防音」「遮音」「吸音」など、似た言葉がたくさん出てきて、何がどう違うのか分かりにくいんじゃないかと思います。

防音対策を考える前に、まずは、これらの違いを理解しておくといいですよ。
今日は、そのポイントをお話していきます。

1)「遮音」は、音を外に漏らさないこと

遮音とは、音を外に通さないことです。
分厚い壁や二重窓などが代表的な方法です。

たとえば、住宅街で隣家が近い場合は、この「遮音性能」が不足すると、ピアノやバイオリンの音は簡単に外に漏れてしまいます。
つまり、「ご近所に迷惑をかけない」ためには、まず遮音が必要です。

2)「防音」はトータルな音環境づくり

一方で、防音とは、音が出ても問題にならない環境をつくることを指します。

遮音はもちろん、室内の反響を整える吸音も含めた総合的な対策です。

遮音:音を外に出さない
吸音:室内の響きを整えて聞き取りやすくする

この2つをバランスよく組み合わせることで、はじめて「防音室」と呼べる空間になります。

たとえば、遮音だけにこだわって壁や窓を分厚くしても、部屋の中が音で反響しすぎると、

子どもが演奏していて耳が疲れる
音がこもって正しく聞こえない
演奏の質が上がらない

といった問題が起きたりしますので。

防音室づくりで大事なのは、ただ音を消すことではなく、音の質を整えることです。

家の中がシーンと静まり返るだけではなく、音が自然に響き、耳が疲れず、思わずもう一曲弾きたくなる空間にすることが、お子様の力を引き出してくれるでしょうから。

もし「そろそろ本格的な防音対策を」と考え始めたら、ぜひ、遮音だけでなく、防音としてのトータル設計を意識してください。

それが、子どもの努力をのびのびと支え、家族みんなが笑顔で過ごせる家づくりにつながります。

我々は、そういった家づくりをサポートしています。