二世帯住宅で避けたい5つのこと
今日は、二世帯の家づくりについてのお話です。
二世帯住宅は、親子が近くで支え合いながら暮らせるという意味では、すごく素晴らしく、魅力的な住まい方ですよね。
しかし、実際に建ててみると「こんなはずじゃなかった…」と後悔する方も少なくないと思います。
私がこれまで、建築家として多くの二世帯住宅に関わり、また自分自身も10年以上二世帯住宅で暮らしてきた経験から、ぜひ避けたい5つのことをご紹介しようと思います。
1)プライバシーを軽視した間取り
もともと、親子で暮らしていたわけだし、「親も子も家族だから大丈夫」と思っていても、日常生活を共にすると、結構小さな違和感が積み重なります。
例えば。。
玄関二つは勿体ないから一つにした
親世帯のリビングを通らないと2階へアクセスできない
浴室やトイレの位置が、各々の寝室に近い
決めた時はいいけど、日常ではこうした状況はストレスのもとになります。
玄関・水回り・階段動線は意識して、プライバシーを確保することが、二世帯住宅成功の第一歩です。
2):生活リズムの違いを考慮しなかった
うちもそうだったんですけど位、親世帯は早寝早起き、子世帯は夜型、なんてことってよくありますよね。
朝5時の洗濯音や、夜遅い帰宅時の足音が想像以上に気になるものです。
設計の段階で、
・寝室とリビングの位置関係
・床や壁の防音対策
・水回りのレイアウト
については、気を付けておきたいです。
3)将来を見据えなかった
家づくりをしている時は元気だったご両親も、もしかしたら、10年後には介護が必要になるかもしれません。
また、子どもが巣立つと空き部屋が増えることもあります。
将来の変化をある程度想定しないと、使いにくい家になってしまいます。
可変性のある間取り、たとえば「子供部屋を将来の親寝室に」「共有スペースを仕切って独立可能に」などの余白を持たせることが大切かなと思います。
4)お金のことを曖昧にした
ものすごく大事なことなんだけど、話を切り出しにくいかもしれませんが。。
住宅資金の配分とか名義の話を、後回しにして話を進めていくと、後で大きなトラブルになります。
・誰がどこまで出すか
・ローンは誰が組むか
・名義と相続はどうするか
このあたりは、事前に親子間で相談・整理し、建築家や専門家の力を借りながら進めていくとよいでしょう。
5)本音を話さずに家を建ててしまった
親子関係による部分が大きいんですけど、遠慮して言えなかったことがあると、同居後の不満につながる原因となることも。
・洗濯は一緒にしたくない
・キッチンは別がいい
・週末は家族だけで過ごしたい
どういう方針にするかは別として、こうした本音はしっかり出し切って共有し、話合った上で、設計に反映させることで、暮らしやすさは格段に変わります。
二世帯住宅は、家族の未来を豊かにする家の一つのカタチだと思います。
しかし、今回お話したことは、すべて「事前の準備」で防げるものばかり。
建てる前に、
1)プライバシーを確保する
2)生活リズムの違いに配慮する
3)将来を見据えた間取りにする
4)お金の話を明確にする
5)家族の本音を共有する
当たり前な内容に聞こえるかもしれませんが、とても重要なことなんです。
しっかり頭に入れながら、家づくりを検討していただければと思います。
「どうすればわが家に合う二世帯住宅を実現できるか?」
暮らしの実体験をもつ建築家に相談することが、失敗しない家づくりの近道です。
もしよければ、こちらをご覧ください。
https://www.oyakura.com/