車椅子と暮らす家:介護リフォームもいいけれど。。

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今日は、車椅子を使う御家族がいる方向けのお話。
家族が車椅子を使うことになったとき、多くの方は「できるだけ早く家を直さなければ」と考えるのは、とても自然な流れです。

しかし、焦って介護リフォームを得意とする工務店やリフォーム業者に依頼すると、後から「こうじゃなかった…」と感じることが少なくありません。

今日は、その理由についてお話していこうと思います。

1. 「部分対応」で全体の暮らしやすさが損なわれる
介護リフォームの多くは、手すりの取り付けや段差解消など、特定の場所だけを改修します。

一見便利になったようでも、家全体の動線設計が見直されていないため、別の場所で不便が生じることがよくあります。

たとえば。浴室を広げたのに、脱衣のことまでよく考えていなくて、使いにくいとか。

こうした「部分だけ便利」の状態は、結果的に暮らしのストレスを増やしてしまいますよね。

2. デザインや居心地への配慮が不足する
介護リフォームでは、安全性や機能性が最優先されますが、その分デザイン面が犠牲になりがちです。もちろん、安全面や機能性は重要ですが。
手すりや補助器具がいかにもな見え方になり、家全体の雰囲気まで考えていないことって多いと感じます。

長く暮らす家なので、ただ便利で安全なだけでなく、心が安らぐ空間であってほしいなと思います。

「家が介護施設のようになってしまった」というのも、少し残念な気がしますし、毎日の生活の満足度を大きく下げるんじゃないですかね。

3. 将来の変化を想定していない
子供が成長すれば、使う車椅子のサイズや生活スタイルも変わります。
また、介助する家族の年齢や体力も変化します。

しかし、一般的な介護リフォームでは、今の状況にだけ対応した設計になってしまいがちです。

数年後には再び大きな改修が必要になり、費用も手間も二重にかかることになります。

後悔しないためには?
後悔を避けるには、単なるリフォームではなく、家全体を俯瞰して設計できる専門家に相談することが重要です。
動線や広さの確保だけでなく、家族全員が快適に暮らせる空間デザイン、将来の変化への対応までを一貫して計画できる人。

その人と一緒ならあ、安全性・快適性・デザイン性のバランスを保ちながら、自分らしく暮らしていける家ををつくることができるでしょう。

焦らず、未来の暮らしを見据えて、一緒に計画を立てましょう。

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