換気の仕方ひとつで変わる家族の健康

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家の中の空気は、目に見えません。
だからこそ、多くの人が「換気」の大切さを忘れがちです。

けれど、空気の質は、家族の健康や気分、集中力にまで深く関わっています。

私はこれまで数多くの住まいを設計してきましたが、“換気の仕方”を変えただけで、家族の体調や暮らし方が本当に変わったという声をたくさん聞いてきました。

換気は「新しい空気を入れること」ではない
多くの人が「換気=外の空気を入れること」と考えていますが、実はそれだけでは不十分です。

換気とは、“汚れた空気を外へ出すこと”と“きれいな空気を家じゅうに巡らせること”の両方を指します。

家の中には、私たちが思う以上にさまざまな汚染物質があります。

呼吸や生活で増える二酸化炭素

料理や暖房で発生する水蒸気

家具や建材から放散される化学物質

ダニやカビ、ハウスダスト

これらがこもると、空気がよどみ、頭が重く感じたり、子どもがアレルギーを発症したりすることもあります。

換気の仕組みを正しく理解する
現代の住宅は高気密化が進んでおり、昔のように“すき間風”で自然に換気されることはありません。

そのため、「計画的な換気」が欠かせません。

24時間換気システムには、主に3つのタイプがあります。

第1種換気:給気・排気を機械で制御し、空気の流れを正確に管理できる。

第2種換気:正圧をつくり、外部からのホコリや花粉を入れにくくする。

第3種換気:排気のみを機械で行い、給気は自然に取り込む仕組み。

すくわくハウスでは、立地や家族構成に応じて最適な方式を選定し、「どこから空気を取り込み、どこへ抜けるか」を設計段階から計画しています。

窓を開ける換気にも“コツ”がある
自然換気をする場合は、窓を1か所だけ開けても意味がありません。
空気には「通り道」が必要です。

向かい合う位置の窓を開ける

高低差のある窓を利用して空気を動かす

サーキュレーターを併用して空気を巡らせる

このちょっとした意識の差で、空気の質は見違えるほど変わります。

換気の仕方が、暮らしの質を決める
室内の空気がきれいだと。
朝の目覚めが良くなり、集中力が上がり、風邪もひきにくくなる。

それは決して大げさな話ではありません。

家づくりにおいて“空気”は目に見えない設備のように扱われがちですが、
実は最も「人の体に近い存在」です。

まとめ
換気の仕方ひとつで、家族の健康は変わります。
それは、“呼吸の質”を変えることと同じ。

すくわくハウスでは、見えない空気を設計の中心に据え、「家族が安心して深呼吸できる家」をつくることを大切にしています。

家はただ住むための箱ではなく、“空気を育てる環境”であるべきだと、私は思っています。