二世帯住宅にかかる総費用はいくら?リアルな「目安」2025

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1. 二世帯住宅は「一軒」ではなく「二軒の要素」を持つ家
まず知っておきたいのは、二世帯住宅は“1軒の家に見えて、実質は2軒分の機能を持つ”ということです。
キッチンや浴室、トイレ、玄関をどこまで共有するかによって、建築費は大きく変わります。

一般的な延床面積と費用の目安は次の通りです。

タイプ 延床面積の目安 建築費(本体価格) 特徴
完全同居型 約40〜45坪 2,500〜3,500万円 水回り・玄関を共有、コストを抑えやすい
部分共有型 約50〜55坪 3,500〜4,800万円 水回りの一部を分け、ほどよい距離感
完全分離型 約60〜70坪 4,500〜6,500万円 玄関・水回りすべて独立、プライバシー重視
※構造や仕様、地域によって金額は変動します。

※あくまで目安なのでご注意ください。

つまり、どんな二世帯住宅にするかが総費用を決める最大のポイントなのです。

2. 建築費以外にかかる「見えないお金」
多くの方が見落としがちなのが、本体工事費以外の諸費用です。
これらを含めて考えないと、最終的な総額が大きくずれてしまいます。

主な項目としては、

設計・確認申請費用(建築費の10-12%)

解体費用(100〜300万円)

外構・造園費(150〜400万円)

仮住まい・引越し費用(50〜100万円)

税金・登記・火災保険などの諸経費(100万円前後)

これらをすべて加えると、建築費+約17-18% が「本当の総費用」になります。

3. 世帯ごとの負担とローンの組み方
二世帯住宅では、「どちらがいくら負担するか」も大きなテーマです。
土地を親世帯が提供し、建築費を子世帯が負担するケースが最も多いです

が、ローンを別々に組むか、共有名義にするかで税制優遇が変わります。

特に最近は、住宅ローン減税や贈与税非課税枠を活用することで、親子それぞれが別々に借りてもメリットを得られるケースが増えています。

早い段階で住宅専門の税理士に相談しておくと安心です。

4. コストを抑えるコツ
「想定より高くなりそう…」という場合でも、設計の工夫で費用を抑えることは可能です。

水回りの位置を近づけて配管コストを削減

廊下や階段を共用にして面積効率を上げる

外観や屋根形状をシンプルにする

建材を“高性能×標準グレード”に最適化する

単に“安く建てる”ではなく、無駄をなくす設計が最も効果的なコストダウンです。

5. まとめ
二世帯住宅の総費用は、仕様や規模によって幅はありますが、

目安として3,000万〜6,000万円前後

そこに諸費用を含めると、総額で3,500万〜7,000万円程度を見ておくと安心です。

大切なのは、金額そのものよりも「何を共有し、何を分けるか」を家族で明確にすること。
その選択が、建築費だけでなく、暮らしの満足度にも大きく関わります。

二世帯住宅は、家族の距離を「近づける」だけでなく、
心地よい関係を「長く続ける」ための設計が大切です。

私たちは、10年以上二世帯住宅で暮らしてきた建築家として、
“実体験”に基づいたリアルな設計提案を行っています。

設計のちょっとした工夫で、暮らしは驚くほど変わります。
まずはお気軽に、あなたの理想の暮らしをお聞かせください。