二世帯住宅の固定資産税は高くなる?

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二世帯住宅を検討しているご家族から、よく聞かれる質問があります。
「普通の家より、固定資産税は高くなるんですか?」
広くなるし、設備も倍になることがあるし…と心配になるのも当然です。

結論を先に言えば、

固定資産税は“建て方次第”で高くも安くもなる。
ここを正しく理解することで、家づくりの選択肢が広がります。

1. 固定資産税は「床面積・仕様・建物評価」で決まる
固定資産税は次の3つの要素で構成されています。

1)床面積
2)建物のグレード(材料・断熱・耐久性など)
3)自治体が算定する評価額

二世帯住宅は一般的に延床面積が広くなるため、当然 “評価額が上がる=税額も増える” という仕組みです。

ただし、これだけでは結論が出ません。
二世帯住宅特有のポイントがあるからです。

2. 完全分離型は“玄関の数”で扱いが変わる
二世帯住宅でややこしいのは、完全分離型(上下分離・左右分離)の扱いです。

玄関が1つ → 一戸の住宅として評価

玄関が2つ → 「共同住宅(アパート扱い)」になる可能性がある

共同住宅扱いになると評価方法が変わり、
● 建物評価が上がるケース
● 逆に下がるケース
両方のパターンがあります。

実際には自治体の判断が絡むため、

「二世帯だから必ず高くなる」という単純な話ではありません。

3. 共有型(二世帯一体型)は戸建てと同じ扱い
玄関・キッチン・浴室をすべて共有する二世帯住宅(完全同居型)
または生活空間の一部のみ分ける部分共有型は、一般的な一戸建て住宅と同じ課税方式です。

延床面積が増える分は税額に反映されますが、間取りをどう分けても「共同住宅扱い」にはなりません。

そのため、

最も予測しやすく、税制上のリスクが少ないのが共有型。

4. 固定資産税は“建物評価”で変わる ― 高い家=税金も高い?
固定資産税の計算には建物のグレードも影響します。

高性能窓

高断熱材

外壁のグレード

耐震・耐火性能

住宅設備のグレード

これらが高いほど、評価額も上がりやすいのは事実です。

ただし、税金が少し上がっても、光熱費が下がる・維持費が減る といったメリットがあるため、「税金が安い=良い家」ではありません。

5. 新築時は“軽減措置”で大きく変わる
新築住宅には、固定資産税の大きな軽減措置があります。
一般的には、

建物部分の固定資産税が3年間1/2に軽減

長期優良住宅は5年間

これが二世帯住宅にも適用されるため、最初の数年は想像以上に税負担が軽くなる ことがあります。

完全分離型でも、同一敷地・同一所有であれば軽減の対象です。

6. 「高くなる?」ではなく「どう設計するか」で決まる
二世帯住宅の固定資産税は、

玄関の数

面積

建物の仕様

自治体の評価方法

によって変わります。

つまり、

“二世帯にしたから高くなる”のではなく、“どう建てるか”で変わる。

家族の暮らし方と税制をセットで考えることで、
無駄な負担を避けながら、最適な二世帯の形を選べます。

まとめ
二世帯住宅=固定資産税が高い、は誤解

完全分離型は玄関数で扱いが変わる

共有型は一般戸建てと同じ課税

建物仕様や自治体評価が税額に影響

新築は軽減措置が大きく、最初の数年は負担が軽い

税金の不安よりも、
“家族にとって最適な暮らし方は何か”
を軸に選ぶことが、後悔しない二世帯住宅への近道です。

二世帯住宅は、家族の距離を「近づける」だけでなく、
心地よい関係を「長く続ける」ための設計が大切です。

私たちは、10年以上二世帯住宅で暮らしてきた建築家として、
“実体験”に基づいたリアルな設計提案を行っています。

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