住まいづくりと暮らしの環境は答え探しの場所ではないということ。

住まいづくりというと、
「正解」を探すことだと思われがちです。
間取りはどうするか。
広さは足りているか。
設備は最新か。
もちろん、それらは大切です。
でも最近、あらためて感じることがあります。
住まいは、答えを出すための
場所ではないのかもしれない。
そんな感覚です。
家を建てる。
住み替える。
あるいは、今の住まいを少し整え直す。
その入口で、多くの方が
「条件」や「仕様」から考え始めます。
けれど、実際の暮らしが始まってから
心の状態を左右しているのは、
もっと静かな部分だったりします。
朝、どこで一日を始めているか。
夕方、どこで少し力を抜いているか。
家族と、どんな距離感で過ごしているか。
ひとりになれる時間が、ちゃんとあるか。
こうしたことは、
図面や数字では説明できません。
けれど、日々の満足度には確実に影響します。
だから、設計の打合せでは
「やりたいこと」よりも先に、
どんな時間を重ねたいのかを
一緒に考えるようにしています。
和モダンや、ホテルライクな住まいも、
見た目の話だけではありません。
光がどう入るか。
視線がどこへ抜けるか。
音がどこで止まり、どこで響くか。
素材に触れたとき、どんな気持ちになるか。
そうした要素が整うと、
住まいは自然と落ち着き、
気持ちが乱れにくくなります。
忙しい日々の中では、
刺激よりも
「乱れない安心感」の方が、
ずっと大切だったりします。
良い住まいは、
完成した瞬間がゴールではありません。
暮らしながら、
少しずつ馴染み、
時間とともに価値を深めていくもの。
今日はここで過ごしてみよう。
今夜は照明を落としてみよう。
休日は、いつもと違う場所に
椅子を置いてみよう。
そんな小さな選択が
自然に生まれる余白があること。
それが、
住まいの「懐の深さ」なのだと思います。
もし今、
「このままでいいのだろうか」
そんな気持ちがどこかにあるなら。
それは、
暮らしを見つめ直す
良いタイミングなのかもしれません。
住まいを
正解探しの場所にするのではなく、
自分の価値観を整える場所として。
今回の投稿が、
ご自身の暮らしを
少し立ち止まって考える
きっかけになれば幸いです。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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