予算を相談しながら整えていく、暮らしの質を高める家づくり― 建築家の視点で考える、心地よさの優先

予算を相談しながら考えるからこそ、
暮らしは研ぎ澄まされる
建築家が語る
「心地よさの質」を高める
家づくりの考え方・・・・・。
家づくりの相談で、
最初に話題に上がるのは
やはり「予算」です。
けれど私は、
長く現場に立つほどに
考えるようになりました。
予算は、
我慢のための数字ではなく、
心地よさを見つけるための
入口だと。
この金額の中で、
何を大切にしますか?
この問いに丁寧に向き合うほど、
住まいは不思議なくらい
自分たちらしく整っていきます。
予算があるからこそ、
暮らしの本質に近づける
家づくりを始めたばかりの頃は、
・できるだけ広くしたい
・設備は良いものを入れたい
・見た目も妥協したくない
そう思うのが自然です。
ただ、設計の現場で多くのご家族を見ていると、
満足度の高い住まいには
共通点があります。
それは、
「優先順位が、暮らしに沿っている」こと。
予算があるからこそ、
全部ほしいから一歩進んで、
自分たちにとって
本当に必要な心地よさを
考えるようにになります。
日頃の生活でもそうですよね。
車の選択、外食の選択、
洋服や日用品の選択・・・・・・。
自分たちにとっての程よさと
最適解を選び取る視点が育ちます。
暮らしの質は
「足し算」より「整え方」で決まる
暮らしの質は、
高価な設備が多いことでも、
広さがあることでもありません。
むしろ、
・考えなくても使える
・無理がない
・自然と整う
そういう日常の滑らかさが、
暮らしの質を押し上げていきます。
心地よさを形づくる、5つのポイント
住んでから「やっぱり良かった」と感じる家ほど、
次の要素が丁寧に整えられています。
・自然な動線で、家事や移動がスムーズ
・光と風が通り、時間とともに空間が変化する
・手触りや温度感のある素材が、心を落ち着かせる
・片付けやすい収納と、安心できる居場所のバランス
・家族が集まり、ひとり時間も心地よい
ここで一度、
立ち止まってみてください。
自分たちにとって、
いちばん大切な暮らしは何か?
この問いがあるだけで、
家づくりの迷いは
驚くほど減っていきます。
図面は、
生活の「シナリオ」を描くための地図
図面は、部屋数や帖数を
並べるものではありません。
私たちは、図面を
暮らし方を翻訳するための
地図だと考えています。
例えば、
玄関から洗面室までの距離。
帰宅してすぐ手が洗えるか。
コートや鞄が
自然に置ける場所があるか。
あるいは、
キッチンから洗濯スペース、
物干し場までのつながり。
こうした動線は、
毎日のストレスを減らし、
気持ちの自由時間を生みます。
暮らしの質は、
「特別な一日」ではなく、
「何でもない毎日」で決まります。
見た目と流行に
振り回されないために・・・・・。
Instagramや雑誌には、
素敵な住まいがたくさんあります。
「これ、いいな」と
惹かれるのは当然です。
ただ、本当に大切なのは・・・・・。
自分たちにとって心地よいか
という基準です。
流行は変わります。
けれど、毎日の暮らしは
今日から変化しながらも
続いていきます。
だからこそ、
見た目だけでなく、
日々の過ごし方に
寄り添う空間を選ぶことが、
後悔しない家づくりにつながります。
設計とインテリアの視点で整える
住まいは「暮らしの場」。
デザインは後からでも
整えられます。
けれど、暮らしやすさの根っこは、
最初に決まります。
特に大切なのは、
動線・光・素材の3つ。
動線:毎日のストレスを減らす「見えない設計」
動線が整うと、
家事の時間は短くなり、
気持ちにゆとりが生まれます。
つまり、
設計段階で
「どんな一日を過ごすか」を
想像することが、
心地よさを生み出す為の
第一歩です。
光:時間の流れを感じるデザイン
朝日が入るダイニング。
夕方に柔らかい光が差し込むリビング。
自然光の入り方を考えることで、
照明だけではつくれない
空間の質が生まれます。
窓の位置と大きさ、
カーテンの透け感、
素材の反射。
設計とインテリアが噛み合うと、
空間は時間とともに
表情を変えていきます。
素材:触れるたびに安心をくれるもの
木の床の温かさ。
布のカーテンのやわらかさ。
真鍮の取っ手の経年変化。
素材を選ぶときは、
見た目も大事ですが
触れたときの感覚を大切に。
触覚は、
暮らしの安心感に直結します。
建築の現場から考える
営業マンとの付き合い方
ハウスメーカーや、工務店
コンサルタントの入っている
デザイン工務店等と
家づくりを始めると、
最初に接するのは
営業マンという方が多いと思います。
営業マンも、
正確な情報がないと
良い提案ができないのが本音です。
それは我々「建築士事務所」「設計事務所」
とよばれる「建築士・建築家・設計者」も
同じです。
・家族構成
・働き方
・暮らしの悩み
・優先順位
信頼できる相手に、
信頼できる情報を渡す。
この関係性が、
家づくりの土台になります。
ハウスメーカーや工務店の
よい営業マンは、
設計者や職人との
橋渡し役にもなってくれます。
予算を相談しながら、
暮らしの中身を研ぎ澄ますように。
家づくりは、図面からではなく
暮らしと暮らし方から描くこと。
予算という制限があるからこそ、
本当に必要な心地よさを
選び取る力が育ちます。
あなたの家づくりが、
家族の笑顔と
安心につながりますように。
もし今、家づくりの情報が
多すぎて迷っているなら、
「理想の写真」を集める前に、
ひとつだけ。
どんな時間を大切にしたいのか
ということころから
考えてみてください。
住まいは、
人生の時間を受け止める場です。
今回の投稿が、
あなたの暮らしを
少し立ち止まって見つめ直す
キッカケになれば幸いです。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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