周囲の建て替えを、どう想像するか

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

土地を見に行ったとき、
周囲の建物が
今のまま続くように
感じてしまうことがあります。

 

低い家が並び、
空が広く見えて、
落ち着いた雰囲気がある。

 

「この感じ、
 ずっと続きそうですね」

そう思えると、
安心感も増します。

 

でも、
街を少し引いた目で見ると、
別の可能性も
静かに見えてきます。

 

周囲の家が、
築何十年か経っていれば、
いずれ建て替えの時期が
やってくるかもしれません。

 

平屋だった建物が、
二階建てや
三階建てになることもあります。

 

用途が変わり、
住居以外の建物が
建つこともあります。

 

それは、
特別なことではなく、
ごく自然な
街の更新です。

 

土地を選ぶときに
大切なのは、

「今、どう見えるか」
だけでなく、

「変わったとき、
 どう受け止められそうか」

を、
少し想像してみることだと
思っています。

 

すべてを
正確に予測することは
できません。

 

でも、
まったく想像しないまま
決めてしまうのと、

「こうなったら、
 少し困るかもしれないな」

と、
一度考えておくのとでは、
受け止め方が
大きく変わります。

 

設計の中では、

周囲が変わったときにも、
家の中に
落ち着きが残るように、

 

視線の方向を
一方向に固定しない。

 

外に頼りすぎない
居場所をつくる。

 

そんな工夫を
重ねていきます。

 

周囲の建て替えは、
避けられない変化かもしれません。

 

だからこそ、
それを前提に
考えておくことが、

後ろ向きな準備ではなく、
とても現実的な
判断につながります。

 

街は、
人の暮らしと一緒に
更新されていくものです。

 

その流れの中で、
自分たちの家が
どうあり続けたいのか。

 

周囲の建て替えを
想像することは、

不安を増やすためではなく、
暮らしを長く守るための
ひとつの視点なのだと
感じています。