土地に住むのではなく、土地と暮らす
投稿日時:
2026-02-26 07:10
土地を探していると、
ついこんな言い方をしてしまいます。
「この土地に住む」
もちろん、
言葉としては
間違っていません。
でも、
設計の仕事を続けていると、
少しだけ
違う感覚を持つようになります。
それは、
土地に
「住む」というよりも、
土地と
「暮らす」という方が
しっくりくる、という感覚です。
土地は、
ただの器ではありません。
光の入り方。
風の通り道。
音の広がり方。
周囲との関係。
それらは、
こちらの都合に
完全に合わせてくれるわけではなく、
むしろ、
常に何かを
投げかけてきます。
暑い日もあれば、
寒い日もある。
静かな時間もあれば、
少し騒がしく感じる瞬間もある。
それらすべてと
付き合いながら
日々を重ねていく。
それが、
土地と暮らす、
ということなのだと思います。
土地を
完全に制御しようとすると、
暮らしは
どこか緊張します。
逆に、
すべてを受け入れようとすると、
無理が生じます。
だから、
その間に
ちょうどいい関係を
探していく。
どこは受け止め、
どこは距離を取るか。
どこは頼り、
どこは委ねすぎないか。
そのバランスが、
暮らしの質を
静かに決めていきます。
設計とは、
建物をつくること
だけではなく、
土地との
付き合い方を
形にすることでもあります。
土地に住む、
という発想から、
土地と暮らす、
という視点に
少し切り替えてみる。
そうすると、
条件の見え方や、
判断の基準が、
少し柔らかくなることがあります。
この土地と、
これから
どんな関係を
築いていけそうか。
その問いを
自分に向けてみると、
土地選びは、
選別ではなく、
対話のようなものに
変わっていく気がします。
土地と暮らす。
それは、
完璧な答えを
求めることではなく、
時間をかけて
関係を育てていく
という選択なのだと
感じています。