姫路市書写の里美術工芸館の閉館

ユーザー TAM建築設計室 新井敏洋 の写真

姫路市書写の里美術工芸館は、私どもが師事した故宮脇檀先生の設計です。
私どもが独立して約6年後、1994年に竣工していますので、築32年です。
宮脇先生は当時58歳、1990年に出石伊藤美術館、1993年に安来和鋼博物館、出石町役場と設計してますので、最も公共建築を精力的に設計されていた時期です。
当時私どもが手掛けた2件の住宅をご挨拶の折に見ていただきました。
丁寧に批評をいただき、新建築の住宅特集を持ってきて、若い設計者がどんどん出てくるからとおっしゃられました。
この時印象に残ったのが喉の不調をお話されたことでした。
診てもらっているとの話もされていました。
この4年後闘病を経て62歳で亡くなられてしまいました。

昨年、担当者の中村君から、今年3月末で閉館になる通知がOBに伝えられました。
関係者の話によると、借地権が切れること、照明設備、空調設備の改修が必要なこととWIKIによれば入場者の低迷が閉館の理由のようです。
伺った日には、工芸家の人たちが展示室の壁面に絵を描かれておりました。

お釈迦様が泥仏、玩具、人々、工芸館を掌の上にのせています。

今回、出石、姫路と歩き今までにこの目で見ていなかった宮脇先生の設計を見てきました。出石の設計もここも近隣を歩き敷地や環境から設計した痕跡を見ることが出来ました、そしてその中に溶け込みながら、宮脇先生の好きな形や色が入り細かなディテールで丁寧につくられていました。
工芸館は展示される工芸・玩具そして姫路市出身・東大寺元別当清水公照の工芸・書画との親和性が外・内部に感じることが出来ました。
私どもが在籍した頃は、コンペが大きな施設設計に触れる機会でした。
このような施設の担当はうらやましい限りです。
印象的な外、内観のスケッチが宮脇先生の机の上にあり、月曜の定例会の折に誰が担当者に指名されるかドキドキし、担当すると細かなディテールのスケッチが出てきてそれを具現化する作業が懐かしく思い出されます。
書写の里美術工芸館の閉館はとても残念です。
閉館前になって来る人が増えているとも聞きました。
インバウンドに人気のある、圓教寺のアプローチのロープウエー駅に近くにあっても看板や誘導がなく、ここを知らないと観てもらえないのはとても残念でした。