「できる・できない」より先に考えていること

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打ち合わせの中で、
よく出てくる言葉があります。

 

「それって、できますか?」

 

実現できるのかどうか。
難しいのかどうか。

 

先に確認しておきたい。

 

とても自然な流れです。

 

けれど、
設計の中では、

 

「できる・できない」を
すぐに判断しないことがあります。

 

それよりも、
先に考えていることがあります。

 

なぜ、それをしたいのか。

 

どんな暮らしにつながるのか。

 

その意図を
確かめること。

 

たとえば、
「大きな窓をつくりたい」

 

という要望。

 

技術的にできるかどうかは、
もちろん大切です。

 

けれど、
その前に、

 

なぜ大きな窓がほしいのかを
考えてみる。

 

外とのつながりを感じたいのか。

 

光を取り入れたいのか。

 

それとも、
開放感を得たいのか。

 

理由によって、
最適な形は変わります。

 

必ずしも、
大きな窓である必要が
ない場合もある。

 

別の方法で、
同じ感覚を
つくれることもある。

 

もし、
「できる・できない」だけで
判断してしまうと、

 

可能か不可能かという
二択の中でしか
考えられなくなる。

 

設計は、
その間にある
余白を扱うものでもあります。

 

少し形を変える。

 

条件を調整する。

 

別の視点から
考えてみる。

 

そうすることで、
選択肢は
広がっていきます。

 

最初に出てきた形が、
そのまま答えとは限らない。

 

けれど、
その奥にある意図は、

 

とても大切なヒントです。

 

設計者は、
「できるかどうか」を判断する前に、

 

その意図を
見つけようとしています。

 

何を実現したいのか。

 

どんな感覚を
求めているのか。

 

そこが見えてくると、

 

「できる・できない」ではなく、

 

「どうすれば近づけるか」

 

という視点に変わっていきます。

 

家づくりは、
制限の中で選ぶことでもありますが、

 

同時に、
可能性を探していくことでもあります。

 

そのために、
少し立ち止まって、

 

言葉の奥にあるものを
見てみる。

 

その時間が、
選択を
より納得のあるものへと
変えていくのだと
感じています。