図面を見て感じる違和感の正体

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

図面を見たとき、
ふと感じることがあります。

 

「どこか、しっくりこない」

 

大きな問題があるわけではない。

 

間取りも成立しているし、
要望も満たされているように見える。

 

それでも、
どこか引っかかる。

 

その違和感の正体は、
はっきりと説明できないことが多い。

 

だからこそ、
見過ごしてしまうこともあります。

 

けれど、
その感覚には、
意味があります。

 

図面は、
情報としては正しくても、

 

感覚として合っていない
ことがあります。

 

動線は合理的なのに、
落ち着かない。

 

広さは十分なのに、
どこか居場所が定まらない。

 

つながっているのに、
分断されているように感じる。

 

そうした違和感は、

 

数値ではなく、
関係性の中にあります。

 

空間同士の距離。

 

視線の抜け方。

 

光の入り方。

 

音の広がり方。

 

それらが少しずつ重なって、
空間の印象をつくっています。

 

図面だけでは、
すべてを読み取ることはできません。

 

だからこそ、
感覚が先に反応することがあります。

 

「なんとなく違う」

 

その一言の中に、
いくつもの要素が含まれている。

 

違和感は、
間違いのサインではなく、

 

調整のヒントです。

 

どこに引っかかっているのか。

 

どんな状態なら
しっくりくるのか。

 

それを少しずつ
探っていくことで、

 

図面は
より自分たちに近づいていきます。

 

違和感を
無理に消そうとしなくていい。

 

まずは、
そのまま受け止めてみる。

 

そして、
言葉にできるところから、
少しずつ外に出していく。

 

設計は、
正しさを積み重ねるだけでなく、

 

違和感を
丁寧に扱うことでもあります。

 

その積み重ねが、

 

表面的には見えにくい、
深い心地よさを
つくっていきます。

 

図面を見て感じる違和感は、

 

完成を遠ざけるものではなく、

 

完成に近づくための、
静かな手がかりなのだと
感じています。