設計における、立ち止まる勇気

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家づくりが進んでくると、
自然とスピードが上がっていきます。

 

決めることが増え、
打ち合わせも重なり、

 

少しずつ
形が固まっていく。

 

ここまで来たのだから、
このまま進めたい。

 

そう思う気持ちも、
強くなっていきます。

 

けれど、
その流れの中で、

 

ふと立ち止まりたくなる瞬間があります。

 

どこかに
小さな違和感が残っている。

 

言葉にはできないけれど、
少し引っかかる。

 

その感覚に気づいたとき、

 

そのまま進むか、
一度立ち止まるか。

 

迷うことがあります。

 

立ち止まることは、
勇気がいることです。

 

時間が延びるかもしれない。

 

流れを止めてしまうかもしれない。

 

周囲に迷惑をかけるのではないか。

 

そんな思いがよぎる。

 

けれど、
立ち止まることは、

 

決して後ろ向きな行為ではありません。

 

むしろ、
これから先を
丁寧に進むための選択です。

 

違和感を感じたまま進むと、

 

あとから
修正が難しくなることがあります。

 

そのときには、
より大きな負担が
かかることもある。

 

だからこそ、
早い段階で
立ち止まる。

 

いま、何に引っかかっているのか。

 

どこに違和感を感じているのか。

 

それを、
少しずつ見つめていく。

 

すぐに答えが出なくても、
構いません。

 

その時間自体が、
設計を整えていきます。

 

設計は、
進み続けることだけが
大切なのではなく、

 

適切なタイミングで
立ち止まることも、

 

同じくらい大切です。

 

立ち止まることで、
見えるものがある。

 

流れの中では
気づけなかったことが、
浮かび上がってくる。

 

その気づきをもとに、
また一歩進む。

 

その繰り返しが、
設計に深さを与えていきます。

 

立ち止まることは、

 

遅れることではなく、

 

整えること。

 

その視点を持てると、

 

家づくりは、
少しずつ
安心のあるものへと
変わっていきます。

 

設計における、立ち止まる勇気。

 

それは、
より納得のある暮らしへと
近づくための、

 

静かな判断なのだと
感じています。