細かい部分が気になり始めるのはなぜか

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

打ち合わせが進んでくると、
ある時期から、

 

「ここ、もう少しこうしたほうがいいですかね」

 

そんな細かな確認が増えてきます。

 

コンセントの位置。
スイッチの高さ。
扉の開き方。

 

これまでは気にしていなかった部分に、
急に目が向くようになる。

 

それを見て、
「気にしすぎなのではないか」

 

と感じることもあるかもしれません。

 

けれど、
この変化はとても自然なものです。

 

家づくりの初期は、
全体の方向を考える時間です。

 

どんな暮らしにしたいのか。
どんな空間にしたいのか。

 

大きな枠組みを整えていく。

 

そして、
その枠組みが見えてくると、

 

次に意識が向くのは、
細かな部分になります。

 

全体が整ってきたからこそ、
細部に目がいく。

 

それは、
設計が次の段階に進んでいるサインでもあります。

 

また、
具体的に暮らしを想像できるようになると、

 

日常の動きが
よりはっきりと見えてきます。

 

ここで手を伸ばす。
ここを通る。
ここで立ち止まる。

 

そのイメージが具体的になるほど、

 

細かな違和感にも
気づきやすくなる。

 

だから、
細部が気になり始めるのは、

 

視点が狭くなったのではなく、

 

視点が深くなっている状態です。

 

もちろん、
すべてを完璧に整える必要はありません。

 

細かい部分に
こだわりすぎると、

 

全体とのバランスが
崩れてしまうこともある。

 

けれど、
気になったことを
そのままにしておくのも、

 

あとから小さな違和感として
残ることがあります。

 

大切なのは、
すべてを解決しようとすることではなく、

 

何を整えるかを見極めること。

 

細かな部分が気になり始めたときは、

 

設計が
より具体的な暮らしに近づいている証でもあります。

 

その感覚を無理に抑えず、

 

ひとつずつ
確かめていく。

 

その積み重ねが、
日々の使いやすさや、
さりげない心地よさに
つながっていくのだと
思っています。