あとから納得することがある理由

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

住み始めてしばらく経った頃、
こんなふうに話していただくことがあります。

 

「あの時はよく分からなかったんですが、
 今なら納得できます」

 

打ち合わせの中で提案されたこと。

 

最初は、
少しピンと来なかった部分。

 

「本当に必要なのかな」

 

そんなふうに感じていたことが、

 

暮らし始めてから、
少しずつ意味を持ってくる。

 

この変化は、
とても自然なものです。

 

設計の段階では、
まだ実際の暮らしが始まっていません。

 

図面を見ながら、
これからの生活を想像していく。

 

けれど、
実際の動きや感覚までは、

 

完全には分からないこともあります。

 

だから、
提案された内容の意味を、

 

その時点では
十分に実感できないことがある。

 

けれど、
住み始めると、

 

毎日の動きや、
時間の流れが重なっていきます。

 

その中で、

 

「こういうことだったのか」

 

と感じる瞬間が出てくる。

 

朝の動きが楽だったり、

 

自然と家族が集まっていたり、

 

無意識に心地よく過ごせていたり。

 

そうした小さな体験を通して、

 

あとから意味が見えてくることがあります。

 

住まいの良さというのは、
説明だけでは伝わりきらない部分があります。

 

実際に使い、
時間を重ねることで、

 

少しずつ理解できるものもある。

 

だからこそ、
あとから納得することがあります。

 

最初にすべてを理解できなくても、

 

暮らしの中で
少しずつ実感が追いついてくる。

 

その流れもまた、

 

住まいと関係をつくっていく
大切な時間なのかもしれません。