変わらないものと、変わるもの

ユーザー ナイトウタカシ建築設計事務所 ナイトウタカシ の写真

住み始めて何年か経った頃、
久しぶりにお会いすると、
こんな話になることがあります。

 

「暮らし方は変わりましたが、
 好きな場所は変わらないですね」

 

時間が経てば、
暮らしは少しずつ変わっていきます。

 

家族の人数。

 

仕事のリズム。

 

家で過ごす時間。

 

その変化に合わせて、
部屋の使い方や家具の配置も変わっていく。

 

けれど、
その一方で、

 

変わらず大切にされているものもあります。

 

朝日が入る窓辺。

 

家族が自然と集まる場所。

 

ふと腰を下ろしたくなる椅子。

 

理由は説明できなくても、
なぜか落ち着く場所。

 

そうしたものは、
時間が経っても変わらないことがあります。

 

住まいには、
変わるものと、変わらないものがあります。

 

使い方は変わる。

 

暮らし方も変わる。

 

けれど、
その家らしさや、

 

そこで感じる安心感は、
静かに残り続けることがあります。

 

設計では、
変化に対応できる柔らかさを考える一方で、

 

変わらず心地よく感じられる部分も
大切にしたいと思っています。

 

光の入り方。

 

庭とのつながり。

 

空気の流れ。

 

そうした住まいの骨格になる部分は、

 

暮らしが変わっても、
その家の心地よさを支えてくれます。

 

だからこそ、
長く住める家とは、

 

何もかも変えられる家ではなく、

 

変わる暮らしを受け止めながら、
変わらない心地よさも持ち続けられる家なのかもしれません。

 

時間とともに、
人は少しずつ変わっていきます。

 

それでも帰ってくると、
どこか安心できる。

 

そんな変わらない感覚があることも、

 

住まいにとって
大切な価値なのだと思っています。