土地を見る前に、お聞きしたいことがあります。
「いい土地が見つかったので、見ていただけますか。」
そんなご相談をいただくことがあります。
もちろん、
土地を見ることも建築家の大切な仕事です。
周辺環境。
日当たり。
道路との関係。
高低差。
法規制。
確認することは、たくさんあります。
でも私は、
現地へ向かう前に、
まずお聞きしたいことがあります。
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「その土地を見て、どんなことを感じましたか。」
この質問です。
「明るくて気持ちよかったです。」
「静かな雰囲気が好きでした。」
「子どもが楽しそうに走り回っていました。」
「なぜか落ち着く気がしました。」
そんなお話を聞くことがあります。
私は、
その言葉をとても大切にしています。
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以前、ご夫婦と土地を見に行ったときのことです。
条件だけを見ると、
とても良い土地でした。
日当たりも良く、
広さも十分。
駅からの距離も申し分ありません。
でも、
現地を歩いていると、
奥様が何度か立ち止まっていました。
「何か気になりますか。」
そうお聞きすると、
少し考えながら、
こう話してくださいました。
「何が気になるのか、自分でも分からないんです。」
その日は、
無理に結論を出しませんでした。
後日、
もう一度土地を見に行くと、
理由が分かりました。
毎日通る道路の雰囲気が、
ご家族の暮らしのイメージと少し違っていたのです。
条件だけでは見えてこないことでした。
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土地探しでは、
数字や条件がとても大切です。
でも、
毎日その場所で暮らすのは、
数字ではありません。
そこに住むご家族です。
だから私は、
「この土地はどうですか。」
という答えを急ぐよりも、
「この土地で暮らしたいと思えますか。」
という気持ちを大切にしています。
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土地を見ることと、
土地を選ぶことは、
少し違います。
私は、
そのご家族が、
その場所でどんな毎日を過ごすのかを想像しながら土地を見ています。
だから、
現地へ向かう前に、
一つだけお聞きしたいことがあります。
「その土地を見て、どんなことを感じましたか。」
家づくりは、
土地を選ぶことから始まるのではなく、
その場所で暮らす未来を思い描くことから始まるのかもしれません。