「土地が決められません。」

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「土地が決められません。」

このご相談も、本当によくいただきます。

 

「もう何か月も探しています。」

 

「いい土地だと思うと、今度は何か不安になってしまって。」

 

そんなお気持ちを話してくださる方も少なくありません。

 

土地探しは、一度決めたら簡単には変えられません。

 

だから慎重になるのは、とても自然なことだと思います。

 

でも私は、このお話を伺っても、

「もっと探しましょう。」とも、

「もう決めてもいいと思いますよ。」とも、お答えしないことが多いんです。

 

まずは、

「今まで、何が理由で見送られたのでしょう。」

そんなふうに、お聞きすることから始めています。

 

すると、ご家族によって返ってくるお話は、本当にさまざまです。

 

「駅から少し遠くて。」

 

「日当たりが気になりました。」

 

「価格が少し予算を超えていて。」

 

「何となく決めきれなくて。」

 

同じ「決められない」という言葉でも、

理由は、それぞれ違うように思います。

 

以前、ご相談いただいたご夫婦も、

「もう十件以上見ているんです。」

とおっしゃっていました。

 

そこで、

「今まで見た土地の中で、一番印象に残っている場所はありますか。」

と、お聞きしてみました。

 

少し考えられたあと、

「実は、一番最初に見た土地なんです。」

と話してくださいました。

 

「でも、そのときは比較するものがなくて、不安で決められませんでした。」

 

そのお話を伺って、

もしかすると、

土地が悪かったのではなく、

決めるための安心が、まだ足りなかったのかもしれないと思いました。

 

もちろん、

もっと探した方がいい場合もあります。

 

条件に合わない土地であれば、

無理に決める必要はありません。

 

一方で、

百点満点の土地を待ち続けるうちに、

本当にご家族に合っていた土地まで、

見送ってしまうこともあるように思います。

 

土地には、

それぞれ良いところもあれば、

少し気になるところもあります。

 

だからこそ、

「欠点がない土地」を探すより、

「その土地で、どんな暮らしができそうか。」

そんな視点も大切なのかもしれません。

 

ですから、

「土地が決められません。」

と聞かれても、

私は、条件表を見る前に、

どんな土地なら、ご家族が安心して暮らせそうだと思われるのか。

そこを知りたいと思っています。

 

休日に散歩したくなる場所なのかもしれません。

 

お子さんが安心して育つ景色なのかもしれません。

 

毎日、「ここに帰ってきてよかった」と思える場所なのかもしれません。

 

そんな思いが少しずつ見えてくると、

比較しても決められなかった土地が、

急に「ここかもしれない」と感じられることもあります。

 

家づくりでは、

土地を選ぶことよりも、

その土地で始まる暮らしを想像すること。

私は、その時間を大切にしながら、一緒に土地探しを進めていけたらと思っています。