「子どものための家にしたいんです。」

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「子どものための家にしたいんです。」

この言葉も、ご相談の中でよく伺います。

 

「子どもがのびのび育つ家にしたくて。」

 

「子どものことを一番に考えたいんです。」

 

親であれば、そう思われるのは、とても自然なことだと思います。

 

でも私は、このお話を伺っても、

「では、お子さん中心の家にしましょう。」

とは、すぐにはお答えしないことが多いんです。

 

まずは、

「どんなふうに育ってほしいと思われていますか。」

そんなふうに、お聞きすることから始めています。

 

すると、ご家族によって返ってくる答えは、本当にさまざまです。

 

「元気に遊んでくれたら。」

 

「家族との時間を大切にする子になってほしくて。」

 

「自分で考えられる子になってほしいです。」

 

「安心して帰ってこられる場所であってほしいですね。」

 

同じ「子どものため」という言葉でも、

願われていることは、それぞれ違うように思います。

 

以前、ご相談いただいたご夫婦も、

「子どものための家にしたいんです。」

とおっしゃっていました。

 

そこで、

「お子さんが大人になったとき、この家を思い出すとしたら、どんな記憶が残っていたら嬉しいですか。」

と、お聞きしてみました。

 

少し考えられたあと、

奥様が、

「家族みんなで夕食を食べていた時間ですかね。」

と話してくださいました。

 

ご主人も、

「リビングで一緒に笑っていたことかもしれません。」

と続けられました。

 

そのお話を伺って、

もしかすると大切なのは、

子ども部屋を広くすることではなく、

家族が自然に集まれる時間をつくることなのかもしれない、と思いました。

 

もちろん、

お子さんの成長を考えた間取りは大切です。

 

勉強する場所や、

遊ぶ場所、

安全に過ごせる工夫も必要でしょう。

 

でも、

子どもは少しずつ成長していきます。

 

何年かすると、

部屋にいる時間が増えるかもしれませんし、

やがて家を離れる日もやってきます。

 

だからこそ、

「子どものため」だけで考えるより、

家族みんなが心地よく暮らせる家を考えることも、大切なのではないかと思うのです。

 

ですから、

「子どものための家にしたいんです。」

と聞かれても、

私は、間取りの話を始める前に、

どんな家族でありたいと思われているのか。

そこを知りたいと思っています。

 

一緒に食事をする時間なのかもしれません。

 

安心して話せる空間なのかもしれません。

 

それぞれが自分らしく過ごせる距離感なのかもしれません。

 

その思いが見えてくると、

「子どものための家」は、

いつの間にか家族みんなのための家になっていくことがあります。

 

家づくりでは、

子どものために何を用意するかよりも、

どんな時間を家族で積み重ねていきたいのか。

私は、そんなお話を伺いながら、一緒に家づくりを考えていけたらと思っています。