「私たちに合う家って、どんな家なんでしょう。」

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「私たちに合う家って、どんな家なんでしょう。」

このご質問は、家づくりの最後の方だけではなく、

最初のご相談でも、ときどきいただきます。

 

「いろいろ見てきたんですが、分からなくなってしまって。」

 

「好きな家はあるんです。でも、自分たちに合うかは分からなくて。」

 

そんなお気持ちを話してくださる方も少なくありません。

 

でも私は、このご質問にも、

「それなら、こんな家がおすすめです。」

とは、すぐにはお答えしないことが多いんです。

 

まずは、

「どんなときに、ご自宅で『心地いいな』と感じますか。」

そんなふうに、お聞きすることから始めています。

 

すると、ご家族によって返ってくる答えは、本当にさまざまです。

 

「休日に家族でのんびりしているときです。」

 

「一人で本を読んでいる時間ですね。」

 

「友人が遊びに来てくれる日が好きなんです。」

 

「仕事から帰ってきて、ホッとした瞬間でしょうか。」

 

同じ「合う家」という言葉でも、

大切にしたい時間は、それぞれ違うように思います。

 

以前、ご相談いただいたご夫婦も、

「私たちに合う家が分からないんです。」

とおっしゃっていました。

 

そこで、

「これまで暮らしてきた家の中で、一番好きだった場所はありますか。」

と、お聞きしてみました。

 

少し考えられたあと、

奥様が、

「実家のダイニングです。」

と話してくださいました。

 

理由を伺うと、

特別に広かったわけでも、

おしゃれだったわけでもありません。

 

家族が自然と集まって、

何気ない話をしていた場所だったそうです。

 

そのお話を聞いて、

私は、

もしかすると探しているのは、

理想の家ではなく、

理想の時間なのかもしれない、と思いました。

 

もちろん、

性能も大切です。

 

デザインも大切です。

 

予算や立地も、

家づくりには欠かせない要素です。

 

でも、

それらを一つひとつ決めていっても、

「自分たちらしい家」になるとは限りません。

 

反対に、

大切にしたい時間がはっきりしているご家族は、

迷ったときにも、

「私たちは、こっちを選びたい。」

と決められることがあります。

 

ですから、

「私たちに合う家って、どんな家なんでしょう。」

と聞かれても、

私は、間取りやデザインのお話をする前に、

どんな毎日を過ごせたら、『この家にしてよかった』と思えそうでしょうか。

そこを知りたいと思っています。

 

朝の光を感じながら過ごす時間なのかもしれません。

 

家族で笑い合う夕食なのかもしれません。

 

静かに一人になれる場所なのかもしれません。

 

その思いが少しずつ見えてくると、

「合う家」は、

誰かが教えてくれるものではなく、

ご家族の中から自然と形になっていくように思います。

 

家づくりでは、

理想の家を探すことよりも、

自分たちが、どんな暮らしを大切にしたいのかを見つけること。

私は、その時間をご一緒できたらと思っています。