「要望を全部入れたら、家が大きくなってしまいました。」

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「要望を全部入れたら、家が大きくなってしまいました。」

打ち合わせが進んでくると、こんなお話をいただくことがあります。

 

広いリビングが欲しい。

 

収納もしっかり取りたい。

 

書斎も欲しいし、ランドリールームもあると便利そう。

 

一つひとつを見ると、

どれも必要なものに思えてきます。

 

ところが、それらを全部入れてみると、

思っていたより家が大きくなってしまう。

 

当然、建築費にも影響してきます。

 

でも私は、そんなとき、

「では、何か削りましょう。」

とは、すぐにはお話ししないことが多いんです。

 

まずは、

「それぞれ、どうして欲しいと思われたんでしょう。」

そんなことを、もう一度お聞きしてみます。

 

例えば、

「ランドリールームが欲しい。」

というご要望があったとします。

 

理由を伺ってみると、

「洗濯物をリビングに干したくないんです。」

ということがあります。

 

あるいは、

「ファミリークローゼットが欲しい。」

というご要望も、

 

「家族の服を一か所にまとめたい。」

のではなく、

「洗濯物を各部屋まで運ぶのが大変だから。」

ということもあります。

 

そうやってお話を伺っていくと、

違うように見えていた二つの要望が、

実は同じ困りごとから生まれていることがあります。

 

以前、ご相談いただいたご家族も、

最初はたくさんのご要望をお持ちでした。

 

パントリー。

 

家事室。

 

ファミリークローゼット。

 

玄関収納。

 

それぞれに必要な広さを取っていくと、

家はどんどん大きくなっていきました。

 

そこで、

「この家事室では、何をされる予定ですか?」

とお聞きしてみました。

 

すると、

「洗濯物を畳んだり、アイロンをかけたりですね。」

とおっしゃいました。

 

さらにお話を伺うと、

毎日そこで長い時間を過ごしたいわけではなく、

家事の途中に物が散らからない場所が欲しかったようです。

 

それなら、

必ずしも「家事室」という一つの部屋でなくてもいいかもしれません。

 

収納の一部やカウンターのつくり方を工夫することで、

同じ目的を叶えられることもあります。

 

こうしたお話をしていると、

私は、

家づくりの要望には、

「欲しいもの」と「そうしたい理由」があるように思います。

 

「書斎が欲しい。」

 

その奥には、

一人で集中できる時間が欲しいのかもしれません。

 

「広い玄関が欲しい。」

 

その奥には、

家族が重ならずに出入りしたいという思いがあるのかもしれません。

 

欲しいものだけを並べていくと、

家はどうしても大きくなりやすくなります。

 

でも、その理由まで聞いていくと、

別の方法が見つかることがあります。

 

ですから、

「要望を全部入れたら、家が大きくなってしまいました。」

と聞かれても、

私は、何を削るかを決める前に、

その要望で、何を叶えたかったのか。

そこを一緒に確認したいと思っています。

 

部屋が欲しいのではなく、

時間が欲しかったのかもしれません。

 

収納が欲しいのではなく、

片づけやすい暮らしが欲しかったのかもしれません。

 

広さが欲しいのではなく、

家族との心地よい距離が欲しかったのかもしれません。

 

その目的が見えてくると、

要望を諦めなくても、

家を少しコンパクトにできることがあります。

 

家づくりでは、

欲しいものを全部入れることよりも、

なぜ、それが欲しかったのかを一緒に考えてみること。

私は、そこからそのご家族に合った家の大きさを探していけたらと思っています。