「この設備、本当に必要でしょうか?」

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「この設備、本当に必要でしょうか?」

家づくりが進んでくると、こんなご質問をいただくことがあります。

 

ショールームへ行くと、

便利そうな設備がたくさんあります。

 

自動で洗ってくれるもの。

 

スマートフォンから操作できるもの。

 

ボタン一つで開いたり、閉じたりするもの。

 

説明を聞いていると、

どれもあった方がよさそうに思えてきます。

 

でも、金額を見ると、

「本当に必要なのかな。」

と迷ってしまう。

 

そんなこともあるようです。

 

私はそんなとき、

「便利なので付けた方がいいですよ。」

とも、

「なくても困りませんよ。」

とも、すぐにはお答えしないことが多いんです。

 

まずは、

「それって、どんなときに使いそうですか?」

そんなふうに、お聞きしてみます。

 

以前、ご相談いただいたご夫婦も、

ある設備を付けるかどうか迷われていました。

 

ショールームで説明を受けて、

とても便利そうに感じたそうです。

 

「せっかく新築するなら、付けておいた方がいいですよね。」

とおっしゃいました。

 

そこで、

「今の暮らしで、それがなくて困ることはありますか?」

と、お聞きしてみました。

 

すると、

少し考えられたあと、

「困ってはいないですね。」

という答えが返ってきました。

 

さらに、

「では、その設備があったら、いつ使いそうですか?」

と伺うと、

お二人で顔を見合わせて、

「……いつでしょうね。」

と笑われました。

 

設備そのものが欲しかったというより、

便利そうだから気になっていたのかもしれません。

 

もちろん、

新しい設備によって、

毎日の負担が大きく減ることもあります。

 

毎朝必ず使うもの。

 

共働きのご夫婦にとって、

家事の時間を短くしてくれるもの。

 

身体への負担を減らしてくれるもの。

 

そうした設備なら、

そのご家族にとって大きな価値があるかもしれません。

 

一方で、

年に数回しか使わない機能もあります。

 

付けたときには便利だと思っていても、

何年かすると、

ほとんど使わなくなっていることもあります。

 

便利な設備だからといって、

すべてのご家族に便利とは限らないんですよね。

 

だから私は、

設備を選ぶとき、

機能の数だけを見るのではなく、

一日の暮らしの中に、その設備を置いてみることがあります。

 

朝起きてから使うのか。

 

仕事から帰ってきたときに使うのか。

 

毎日の家事で使うのか。

 

休日だけ使うのか。

 

そうやって想像してみると、

「これは毎日使いそう。」

というものもあれば、

「意外と使わないかもしれない。」

というものも見えてきます。

 

ですから、

「この設備、本当に必要でしょうか?」

と聞かれたとき、

私は、設備の性能を比べる前に、

いつ、誰が、どんな場面で使うのか。

そこを一緒に考えてみたいと思っています。

 

毎日の小さな負担を減らしてくれるのかもしれません。

 

家族の時間を増やしてくれるのかもしれません。

 

あるいは、

なくても今までとほとんど変わらないのかもしれません。

 

そのことが見えてくると、

「付ける」「付けない」も、

少し決めやすくなるように思います。

 

家づくりでは、

便利なものをたくさん揃えることよりも、

自分たちの暮らしに、本当に便利なものを選ぶこと。

私は、そんな視点から一緒に設備を考えていけたらと思っています。