その庭や土地、本当に「余っている場所」でしょうか?|奈良で考える、離れ・仕事場・小さな事務所から広がる上質な暮らしと「誰に相談すればいいか分からない」から始める建築の可能性。

「家を建てたい」とまでは思っていない。
でも「この場所、何かに使えないだろうか?」
そんなふうに感じている土地や建物はありませんか?
※住まいの余白にガラス張りの事務所という選択肢。奈良で考える、ホテルライクな高級住宅と仕事場を美しくつなぎ、暮らしと働き方を豊かにする建築の可能性。
例えば、家の庭に残っている少し広めの余白。
使わなくなった駐車スペース。
親から受け継いだ土地。
誰も住まなくなった実家。
古民家の敷地に残っている離れや納屋。
あるいは、
「自宅とは少し離れた場所で仕事がしたい」
「小さな美容室やサロンを始めたい」
「夫婦それぞれが一人になれる場所が欲しい」
「趣味を楽しめる場所があれば」
といった、暮らしの中に生まれた小さな希望。
ところが、こうしたことを考え始めたとき、意外と困ることがあります。
「これは、誰に相談すればいいのだろう?」ということです。
不動産会社なのか。
工務店なのか。
リフォーム会社なのか。
土地活用の会社なのか。
それとも設計事務所・建築家なのか。
そもそも、まだ「何を建てるのか」さえ決まっていない。
相談するには早すぎるような気もする。
そう考えて、そのままになっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?。
しかし、そういった場合は、
何を建てるか決まっていないときこそ、考えることに意味がある
と考えています。
「何を建てるか」を決める前に考えておくべきこと。
家づくりでも、リフォームでも、土地活用でも、
私が大切だと思っていることがあります。
それは、建物から考え始めないこと。
例えば、
「庭に6坪ほどの余白があるから、離れを建てよう」
と考えるのではなく、
「なぜ、離れが欲しいのだろう?」と一度考えてみる。
仕事に集中できる場所が欲しいのかもしれません。
夫婦それぞれが一人になれる時間が必要なのかもしれません。
趣味の道具が増えて、
LDKまで物があふれていることが問題なのかもしれません。
将来、小さく仕事を始めたいのかもしれません。
そうやって「理由」まで遡ってみると、
必要なのは必ずしも離れではないことがあります。
今の家の間取りを少し変えるだけで解決できるかもしれない。
収納を整理するだけで暮らしが変わるかもしれない。
使われなくなった部屋を再編集する方法もある。
庭の空きスぺースに建物を加える方がよいこともある。
場合によっては、
何も建てないという答えもあります。
建築家の仕事は、建物を増やすことだけではありません。
暮らしの中にある問題を見つけ、
何が本当に必要なのかを整理して、
その人に合った答えを一緒に探すことも、
設計の大切な役割だと考えています。
まだ「建築の言葉」になっていない悩みがあるということ。
例えば、何かをAIに質問したり、
検索するとき、
人は知っていることしか検索できません。
「離れを建てたい」と分かっていれば、
「離れ 費用」
「庭 離れ おしゃれ」
「離れ 建築確認」
などと検索できます。
「自宅に美容室をつくりたい」と決まっていれば、
「自宅兼美容室 間取り」
「美容室併用住宅」
などと調べることができます。
でも、本当の悩みというものは、その一歩前にあることがあります。
「家で仕事をしていると、なぜか落ち着かない。」
「夫婦二人になって、家が少し大きすぎる気がする。」
「親から土地を受け継いだけれど、どうしたらいいか分からない。」
「実家が空き家になった。でも壊していいのだろうか。」
「会社とは別に、一人で考える場所が欲しい。」
「いつか小さな店をやりたい。でも店舗を借りるほどではない。」
「家族と過ごす時間は好き。でも、一人になる場所も欲しい。」
こうしたものは、
まだ「離れ」でも、「リフォーム」でも、「土地活用」でもなくて、
暮らしの中に生まれた、まだ名前のついていない違和感。
そして私は、
この違和感の中にこそ、
これからの暮らしを良くするヒントが
隠れていることがあると思っています。
6坪ほどの場所でも、できることは意外とあります。
例えば6坪。
およそ12帖ほどの大きさです。
数字だけを見れば、
「そんなに小さな場所で何ができるの?」
と思うかもしれません。
でも、12帖という空間を「一つの目的」のために丁寧に設計すると、
できることは意外とあります。
仕事に集中するオフィス。
予約制の美容室やサロン。
アトリエ。
書斎。
茶室。
音楽を楽しむ場所。
趣味室。
ガレージに隣接したラウンジ。
来客用のゲストルーム。
庭を眺める離れ。
一人で本を読むための場所。
大切なのは、
6坪をいかに広く見せるかではありません。
その6坪によって、暮らしや仕事全体がどう変わるのか?
そこを考えることが重要だと思います。
小さな建築が、母屋の暮らしまで変えることがあります。
例えば、
仕事場を母屋から外へ出したとします。
すると、
仕事場ができただけではありません。
LDKから仕事の資料がなくなる。
仕事と家庭を切り替えやすくなる。
家族が過ごす場所が整う。
仕事が終わって母屋へ戻ることで、
「家に帰る」という感覚が生まれる。
一つの小さな建物を加えただけなのに、
母屋で過ごす時間まで変わります。
あるいは、
夫婦それぞれが一人になれる場所をつくる。
ずっと一緒にいることだけが、
仲のよい暮らしとは限りません。
一人で過ごす時間があるからこそ、
一緒に過ごす時間を心地よく感じられることもあります。
建築とは、
部屋をつくることだけではなく、
人と人との距離を整えることでもあると考えています。
庭や土地の「余り」を、暮らしの「余白」として考えるということ。
私は建築設計を行う際には、
「余白」というものを大切にしています。
余白は、余った場所という意味ではありません。
何も決められていないからこそ、
暮らしの変化を受け止めることのできる場所となる空間。
家族構成が変わる。
仕事が変わる。
趣味が変わる。
年齢を重ねる。
子どもが独立する。
親の家を受け継ぐ。
人生が変われば、
家に必要なものも変わります。
そのとき、
庭や土地に残されていた余白が、
新しい暮らしを受け止める場所になることがあります。
「余っている土地」ではなく「まだ使い方を決めていない場所」。
そう考えるだけでも、
土地の見え方は少し変わってくると思います。
空き家も「残すか壊すか」だけではありません。
空き家についても同じです。
古い家を前にすると、
「リフォームするのか」
「解体するのか」
「売却するのか」
という選択肢になりがちです。
でも、その前に考えてほしいことがあります。
この土地と建物を、これから誰が、どのように使うのか?
母屋のすべてを再生する必要はないかもしれません。
一部分だけを使う方法もある。
離れだけを残す方法もある。
既存建物と新しい小さな建築を組み合わせる方法も考えられます。
週末だけ過ごす場所という考え方もあります。
仕事場やアトリエにする可能性もあります。
空き家の問題を「古い建物をどう処理するか」だけで考えてしまうと、
選択肢は狭くなります。
これから、この場所をどう使いたいのか。
そこから考えることで、
違う答えが見えてくることがあります。
ただし、「土地がある=建てられる」という訳ではありません。
ここは、とても重要です。
土地を持っているからといって、
自由に建物を建てられるとは限りません。
用途地域。
接道条件。
建ぺい率・容積率。
防火・準防火。
上下水道。
既存建物との関係。
※可分不可分
土地の地目。
市街化区域なのか、市街化調整区域なのか。
場所によっては景観に関するルールもあります。
特に奈良では「実家の敷地が広いから、そこにもう一棟建てたい」
「親から受け継いだ土地に小さな店をつくりたい」
と思っても、土地の条件を調べてみると、簡単ではないケースがあります。
ですから、
インターネットで商品を探すことより先に、
「この土地では、そもそも何ができるのか?何ができないのか?」
という事柄を整理する必要があります。
※法務局や各関係省庁(行政の情報確認)
コンテナやトレーラーハウスも、目的ではなく選択肢の一つ。
最近では、コンテナを利用した建物やトレーラーハウスなど、
従来とは違った建築の方法を目にすることも増えているかと思います。
小さな店舗や事務所、離れなどを考えるとき、
こうした方法が候補になることもあると思います。
ただし「コンテナだから建築確認はいらない」「小さいから自由に置ける」
という訳ではありません。
設置方法、利用の仕方を含めて、
建築物として法令への適合が必要になります。
ですからだから私は「コンテナを置きたい」
という相談だったとしても、
最初からコンテナありきで考える必要はないと思っています。
木造がよいのか。
既存建物を利用した方がよいのか。
増築がよいのか。
離れとして新築するのか。
別の方法があるのか。
方法を決める前に、目的を整理する。
その順番が大切です。
小さくつくることと、安くつくることは同じではありません。
ここも誤解されやすいところです。
建物が小さければ、
単純に坪数に比例して安くなるとは限りません。
小さな建物でも、
基礎があります。
屋根があります。
外壁があります。
玄関があります。
電気があります。
給排水が必要になることもあります。
トイレやキッチンを設ければ、設備費も必要です。
申請、許認可が必要になるケースがほとんどです。
ですから「6坪だから、30坪の家の5分の1の費用」
とは単純には考えられません。
一方で、
必要なものをきちんと整理し、
面積を抑え、使い方を明確にすることで、
大きさではなく、密度の高い空間をつくることはできます。
これは、私が住宅設計でも大切にしている考え方。
「広いこと」と「豊かなこと」は、同じではありません。
40帖のLDKだから心地よい。
大きな家だから豊か。
部屋数が多いから暮らしやすい。
必ずしもそうではありません。
28帖でも、
家具の配置。
窓から見える景色。
光の入り方。
天井の高さ。
動線。
収納。
素材。
照明。
そうしたものの関係を丁寧に整えることで、
数字以上の広がりや居心地を感じることがあります。
小さな建築も同じです。
6坪という数字ではなく、その中で、どんな時間が流れるのか?
そこを紐解きながら丁寧に設計する。
小さいからこそ、
一つ一つの寸法や窓の位置、
家具との関係、
光の入り方を細かく考える必要があります。
「家を建てたい人」だけが、建築家に相談する人ではありません。
これは今回、いちばんお伝えしたいことです。
建築家への相談というと「注文住宅を建てると決めてから」
と思われている方もいるかもしれません。
でも、
マンションか戸建てか迷っている。
建て替えかリフォームか決められない。
古民家を残すべきか迷っている。
空き家をどうすればいいか分からない。
土地はあるけれど、使い道が決まっていない。
庭に何かできそうだけれど、何がよいか分からない。
小さな店を始めたい。
自宅に仕事場をつくりたい。
夫婦二人になったので、これからの暮らしを見直したい。
そういう、まだ答えの決まっていない段階から相談していただいていいと思っています。
答えを決めるためではなく、まず「問い」を整理する
住まいや土地の相談を受けていると、
最初に話される「希望」が、
本当の問題ではないことがあります。
「収納が欲しい」
という希望の奥に、生活動線の問題が隠れている。
「もっと広いLDKが欲しい」
という希望の奥に、家具配置や視線の問題がある。
「離れが欲しい」という希望の奥に、
一人で過ごす時間が欲しいという気持ちがある。
「新築したい」という希望の奥に、
今の暮らしを変えたいという思いがある。
ですから、答えを急ぐより「なぜ、そう思ったのだろう?」と一緒に考える。
すると、最初には見えていなかった選択肢が現れることがあります。
建てることが目的ではなく、その先の暮らしを考えるように。
新築する。
リフォームする。
離れをつくる。
店舗をつくる。
空き家を再生する。
小さな建築を加える。
コンテナなどを利用する。
あるいは、
何も建てない。
どれが正しいということではありません。
家族構成も、
仕事も、
土地も、
予算も、
これからどんな時間を過ごしたいのかも、
一人ひとり違います。
ですから「何を建てますか?」より先に、
「これから、どんな暮らしができたらうれしいですか?」
と考えてみる。
庭の片隅。
長い間使われていない離れ。
親から受け継いだ土地。
誰も住まなくなった実家。
毎日なんとなく不便だと感じている今の家。
そこには、
まだ気づいていない可能性が残っているかもしれません。
「こんなことを相談していいのかな」というところから
やまぐち建築設計室では、
新築住宅だけではなく、
リフォーム・リノベーション、
古民家再生、
店舗併用住宅、
インテリア、
空き家、
土地の使い方、
そして小さな建築についても、
暮らし全体から考えています。
何を建てるのか。
いくら掛けるのか。
どんなデザインにするのか。
それを決める前に、
まずは何に困っているのか。
何を変えたいのか。
これから、どんな時間を過ごしたいのか。
そこを整理することから。
「誰に聞けばいいのか分からない」
「まだ計画と呼べるほどではない」
「そもそも建築で解決できることなのかも分からない」
そんな段階でも構いません。
建物をつくることだけではなく、
その人にとって本当に必要なものを、一緒に考えること。
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それも建築家の仕事だと、私は考えています。
暮らしを考える。
土地を考える。
建物を考える。
そして、
これからそこで過ごす時間を考える。
建築というのは、そのための手段です。
奈良で住まいや土地、
空き家、店舗、離れ、小さな建築について迷われている方にとって、
「こういうことも建築家に相談していいんだ」
と知っていただくきっかけになればと思います。
やまぐち建築設計室の予約制相談会のご案内
※新築・リフォーム・土地探しなど、
まだ考えがまとまっていない段階からご相談いただけます。
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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
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