「庭って、どれくらいの広さがあれば十分ですか?」

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「庭って、どれくらいの広さがあれば十分ですか?」

土地や間取りのお話をしていると、

こんなご質問をいただくことがあります。

 

子どもが遊べるくらい。

 

バーベキューができるくらい。

 

できれば少し植栽もしたい。

 

でも、

庭を広くすれば、

その分だけ建物に使える場所は小さくなる。

 

土地にも限りがあります。

 

「何坪くらいあれば、庭として十分なんでしょう?」

そんなふうに聞かれることもあります。

 

そんなとき私は、

「これくらいあれば十分ですよ。」

とは、すぐにはお答えしません。

 

まず、

「庭で、何をしているところを想像されていますか?」

と、お聞きしてみます。

 

庭というと、

どうしても広さを考えます。

 

何メートル取れるか。

 

何坪あるか。

 

子どもが走れるか。

 

テーブルを置けるか。

 

もちろん、

実際に庭で何かをしたいのであれば、

必要な広さはあります。

 

でも、

庭との付き合い方は、

外へ出ることだけではありません。

 

リビングから木を見る。

 

ダイニングから季節の変化を感じる。

 

朝、カーテンを開けると緑が見える。

 

風が吹いて、

葉が動いている。

 

家の中から、

そんな景色を眺めることも、

庭との関わり方の一つだと思います。

 

以前、ご相談いただいたご夫婦も、

「庭はできるだけ広く取りたいです。」

とおっしゃっていました。

 

そこで、

「庭では何をされたいですか?」

とお聞きしてみました。

 

「子どもを遊ばせたり、バーベキューをしたりですかね。」

 

さらに、

「どれくらいの頻度でされそうですか?」

と伺うと、

お二人で少し考えて、

「バーベキューは、年に何回かですかね。」

と。

 

お子さんも、

公園で遊ぶことの方が多いそうでした。

 

そこで、

「では、普段は庭をどう感じられたら嬉しいですか?」

と聞いてみました。

 

奥様が、

「ダイニングから緑が見えたらいいですね。」

とおっしゃいました。

 

朝食を食べるとき。

 

休日にコーヒーを飲むとき。

 

夕方、

キッチンからふと外を見たとき。

 

そこに一本の木が見える。

 

お話をしていくと、

お二人が欲しかったのは、

大きな庭そのものというより、

暮らしの中に、外を感じられる場所があることだったんです。

 

そう考えると、

庭の広さだけを追いかけなくてもよくなります。

 

例えば、

それほど大きくない庭でも、

リビングの窓の正面に木が一本ある。

 

ダイニングから、

その木の枝先が見える。

 

春には新しい葉が出て、

夏には影ができる。

 

秋には色が変わり、

冬には枝越しに空が見える。

 

毎日家の中から見ていれば、

その小さな庭が、

暮らしの中では意外と大きな存在になることがあります。

 

反対に、

広い庭があっても、

室内からほとんど見えなかったり、

出入りしにくかったりすれば、

次第に使わなくなることもあります。

 

だから私は、

庭を考えるとき、

庭だけを見ないようにしています。

 

リビングのソファから、

どう見えるのか。

 

ダイニングに座ったとき、

何が見えるのか。

 

キッチンに立ったとき、

どこまで外を感じられるのか。

 

窓を開けたら、

自然に外へ出られるのか。

 

つまり、

庭の広さより、家の中と庭がどうつながっているのか。

そこが大切になることもあります。

 

もちろん、

庭でサッカーをしたい。

 

家庭菜園をしたい。

 

大きなテーブルを置いて、

家族や友人と食事をしたい。

 

そんな具体的な目的があれば、

それに合った広さを考えていきます。

 

大切なのは、

「庭ならこれくらい必要」と決めることではなく、

そのご家族が庭とどう付き合いたいのかを知ることだと思います。

 

庭へ出て楽しみたい人もいる。

 

手入れを楽しみたい人もいる。

 

家の中から眺めていたい人もいる。

 

庭との距離も、

ご家族によって違います。

 

ですから、

「庭って、どれくらいの広さがあれば十分ですか?」

と聞かれたとき、

私は、

「その庭を、家の中からどんなふうに感じていたいですか?」

とも、お聞きしてみたいと思っています。

 

外へ出て遊びたいのか。

 

食事をしたいのか。

 

木を眺めたいのか。

 

季節を感じたいのか。

 

それによって、

必要な庭の広さも、

窓の位置も、

建物との関係も変わってきます。

 

庭は、

余った土地につくるものでも、

広ければ広いほどいいものでもないのかもしれません。

 

小さくても、毎日の暮らしからよく見える庭。
広くても、思いきり使える庭。

どちらにも、それぞれの良さがあります。

 

私は、「何坪あれば十分か」を決める前に、その庭が家族の毎日の中にどう登場するのかをお聞きしながら、家と庭を一緒に考えていけたらと思っています。