二重ローン問題を解決する住宅ローン

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二重ローン問題とは

 
災害で被害を受けた住宅ローンが残っているため、新たにローンを組むことができず、住宅を建てることをあきらめなければならなかったり、新たなローンを組むことで二重のローンを負担に苦しめられたりする問題です。
 
阪神大震災の際に二重ローンが社会問題となったのですが、抜本的な対策は取られませんでした。
 

 

被災ローン減免制度

 
その後、東日本大震災の後も同じ問題が起こったため、被災ローン減免制度が運用開始になりました。
 
この制度を利用すると義援金や支援金のほかに原則として500万円までの現預金を手元に残し、残りの現貯金と土地の買い上げ代金をローンの返済にあて、残った債務は免除されるそうです。
しかし「利用できる条件が厳しい」「そのような制度を知らない」「金融機関が制度の利用に消極的」などの原因で利用する人は少ないそうです。
 
阪神大震災・東日本大震災等の被災者の中には二重ローンに苦しんでいたり、負担が重すぎて自己破産したりした例もあるそうです。

地震保険による補償は火災保険の半額まで

 
災害時のために建物を所有している方は火災保険をかけていると思いますが
地震が原因で発生した火災の場合は地震保険に加入していないと補償されません。
 
阪神大震災の際、地震が原因で大規模な火災が起きました。
地震保険に加入していなかったため補償されなかった方がたくさんいたそうです。
 
また地震保険は火災保険と同時に加入する必要があります。
地震保険で契約できる保険金額は、主契約で加入している火災保険の保険金額の30%~50%までと決まっています。
 
ということは地震で全損しても地震保険の保障額では建て替えできない場合が多いということになります。
※最近では特約などを結ぶことで、100%の保障額をもらえる保険もあるそうです。

二重ローン問題を解決する住宅ローン

 
三井住友銀行では、住宅ローンを借りた人が地震、津波、噴火で自宅が全壊しても、生活再建のために新たに借金を背負う二重ローンに陥ることを防ぐ住宅ローンの新商品を2014年2月28日から売り出すそうです。
自然災害時返済一部免除特約付住宅ローン(残高保障型)の取扱開始について
 
この住宅ローンは市町村が全壊したと認定すれば、建物の取得費用として借りたローンの残高の半額を免除するそうです。三井住友銀行では「地震保険に加入していれば、ローン負担がほぼゼロになる」と言っているそうです。
 
多少、金利は高いでしょうが災害時の事を考えるとこういう住宅ローンのほうが安心ですね。