中古住宅を購入する際のチェックポイント
中古住宅を購入して、リノベーション・リフォーム・増築したいという方が増えているようです。
中古住宅を購入してリノベーション・リフォーム・増築したいと思っている方に中古住宅を購入する際にチェックしてほしいポイントをまとめてみました。
検査済証があるか?
検査済証というのは工事が完了した際に確認検査機関の検査を受けて合格した際に発行される証明書です。
これがあるということは少なくとも建物が完成した時には法律に適合していたということなので、少しは安心です。
図面があるか?
図面があるかどうかも確認が必要です。リノベーション・リフォーム・増築設計をする際に現状の図面がないと現状の図面を作ることからする必要があります。
しかし、図面と言っても大きく分けて2種類があります。
建築家・建築士・設計事務所が設計した建物の場合は、実施図面が残っている多いのですが、ハウスメーカーや工務店が建てた場合は確認申請図しかない場合が多いようです。
実施図面が残っているとかなり詳細なことまでわかるので、リノベーション・リフォーム・増築の際に助かります。
・確認申請図とは
確認申請を提出するためだけに作成した最低限の図面。一般的な木造住宅で4~5枚前後
・実施図面とは
実際に工事を行うために作成した図面。一般的な木造住宅で20枚~40枚くらいになると思います。
確認申請図と間取りや窓の位置・カーポートが同じになっているか?
確認申請図が残っていても実際の建物と食い違いが生じていることがあります。
以前は完了検査の際に少々の変更があっても法律的に問題のある変更でなければ検査済証が発行されていました。
しかし、最近ではわずかの変更でも必ず完了検査の前に変更届を出すことになっています。
確認申請図と実際の建物が食い違っている場合には変更届などの図面・書類が残っていないかを確認して下さい。
カーポートは意図的に検査が終わった後に工事する場合があるので、確認申請図には書かれていない場合があります。
確認申請図と現状が食い違っている場合には既存不適格建築物になっている可能性がありますので、ご注意ください。
床の傾きがないか
床にビー玉を転がしてみて一定方向に転がるようでしたら建物そのものが傾いている可能性があります。
窓・扉の開け閉め
窓や扉の開け閉めがスムーズに出来ない場合は、家が傾いているなどの不具合の可能性があります。
内壁・天井を見て回ってひび割れ・クロスの剥がれ・雨漏りのシミなどがないか
内壁や天井を見て回ってひび割れ・クロスの剥がれ・雨漏りのシミがないか確認しておいてください。
外を見て回って外壁や基礎のひび割れがないか
外部を見て回って外壁や基礎のひび割れがないかを確認して下さい。
構造はどのようなものか?
構造によってリノベーション・リフォーム・増築のやりやすさが違いますので、どのような構造になっているか調べてください。
・一般的な木造軸組工法
基本的には柱と梁で支える工法なので割りとリノベーション・リフォーム・増築がし易い工法です。
基本的に力を負担していない壁や床は撤去可能ですが、最近ではツーバイフォーのように壁や床に剛性をもたせて力を負担させている場合もあるのでリノベーション・リフォーム・増築の設計の際には注意が必要です。
・ツーバイフォー工法
壁や床で力を負担する工法なので、簡単に壁や床を撤去するわけにはいきません。
木造軸組工法に比べるとリノベーション・リフォーム・増築がしにくい工法です。
・ハウスメーカー独自の認定工法
独自の工法なので場合によっては建てたハウスメーカーでないとリフォーム・リノベーション・増築できない場合もありそうです。
リフォーム代も高く付きそうなので、リフォーム前提であれば事前にリノベーション・リフォーム・増築をしてもらう建築家や工務店に相談してから慎重に決めてください。
リノベーション・リフォーム・増築しないでそのまま住む分には特に問題ありません。
・鉄筋コンクリート造
柱や壁などの構造部分はほとんど変更できないと思ったほうがいいです。
リノベーション・リフォーム・増築するとしたら仕上げ材や設備を新しくするくらいにとどめておいたほうが無難です。
・重量鉄骨造
基本的には柱と梁で持たせる工法なので、壁を撤去しても問題ない場合が多いです。わりとリノベーション・リフォーム・増築しやすいと思います。
・軽量鉄骨造
軽量鉄骨造の住宅はハウスメーカーの独自の工法の場合が多いので、
場合によっては建てたハウスメーカーでないとリノベーション・リフォーム・増築できない場合もありそうです。
リノベーション・リフォーム・増築費用も高く付きそうなので、リノベーション・リフォーム・増築する前提であれば事前にリノベーション・リフォーム・増築をしてもらう建築家や工務店に相談してから慎重に決めてください。
リノベーション・リフォーム・増築しないでそのまま住む分には特に問題ありません。
不動産業者のいうことを鵜呑みにしない
不動産業者は取引を成立させると仲介手数料がもらえますので、買ってもらうためにいろいろなことを言います。
例えば
「この住宅は大手の○○建設が建てたもので不動産屋の私が見てもとても丈夫にできている」
みたいなことをいいますが、不動産屋さんは住宅の構造の知識がない方もいますのでうのみにするのは危険です。
また
「昨日、見に来た人が買いたいと言っていますので、今日中に決めてください」
と焦らせるようなことを必ず言ってきます。
本当の場合もありますが、販売するためのテクニックとして使っていることも多いようです。
購入前には専門家に見てもらいましょう
いろいろ書きましたけど、やはり専門家でないとわからないこともたくさんあります。
中古住宅をリノベーション・リフォーム・増築したいと考えている場合は、設計を依頼する建築家を決めてから、中古住宅を購入する前にその建築家にみてもらうことをオススメします。
当サイトの建築家依頼サービスを利用すれば、リノベーション・リフォーム・増築などを依頼できる建築家を探すことが可能です。